エポキシ樹脂の分析 絶縁材料としてエポキシ樹脂は半導体封止材料、電動機や発電機のコイル含浸樹脂、接着剤、モールド材料などの多くの分野で使用されています。これらの多くはビスフェノールA型エポキシ樹脂とノボラック型エポキシ樹脂が主体です。これらは硬化剤等の併用によって各種のグレードの物性が得られるので各用途に応じて使用しています。ところがもし これらの樹脂の使用法を間違えた場合などで この違いを明確に分別判断する方法は何であろうか。ここでは 化学分析として 赤外線吸収スペクトルによる分析法を示しましょう。ご存知のように赤外線吸収スペクトルは化学物質の分子構造が赤外線を吸収する特徴を利用したものですから、分子構造が異なれば その異なる吸収ピークを比較すればよい事になります。ここにビスフェノールA型エポキシ樹脂とノボラック型エポキシ樹脂の赤外線吸収スペクトルを示します。 これらの図を見てください。大きな違いは @ ビスフェノールA型エポキシ樹脂は1180cm−1と830cm−1あたりに強い吸収がありますが、Aノボラック型エポキシ樹脂には1180cm−1の吸収はほとんどなく、830cm−1の吸収もブロード(幅広い)である事です。 この点が これらを分別判断する方法です。わかりましたか。 |