面白雑学 話の常識が知識を倍加する
いろいろな面白い話を順次 集めてゆきます。楽しい会話の肥やしにしてください
雲母(マイカ)
マイカのへき開性と水溶性は何故? マイカはへき開性があり、かつ 水に良く溶解する。この特性が利用されている 分野も広い。これはどうしてだろう。 マイカなどの薄片状材料の長径と厚みの比をアスペクト比という。 アスペクト比が高いほど板状フィラーとして物性付与効果も大きいといえる。 一般的に薄片状 板状フィラー類では,マイカ,ガラスフレーク,タルクの順で アスペクト比が大きくなる。図1はマイカの結晶構造をしたもので マイカの 主成分はSi02で,Si04正四面体が板状に連なった2枚の層が向かい合い、 その層間にOH基および八面体位をとるイオン(白雲母はAI3+が大部分,金雲母 はMg2+の割合が多い)が存在する。 ここまでをタブレットと呼び,タブレット間にはアルカリ金属またはアルカリ 土類金属のイオン(K+など)が存在する。タブレット内のSi‐0間の共有結合, 八面体位イオンのイオン結合と比較し,タブレット間のイオン結合は非常に弱 いためマイカは板状に剥がれやすい原因となっている。 また マイカが水に溶解しやすいのは 層間にOH基を有するからである。 マイカ類は天然マイカとして白雲母,金雲母,黒雲母などがある。金雲母は茶褐色 が強い。これは金雲母の主成分中にFeが多く混入しているのが原因。白雲母は インド,アメリカ,ロシア,中国,南アフリカ,ブラジルなど世界各地で産出され, インド産がもっとも良質であり使用量が多い。金雲母はカナダ,スリランカ, マダガスカルなどが主産地であり,カナダ産は鉱脈が大きく品質も安定してい ることから多く使われる。
引用文献;