有機材料分析 実例 

おのおのの分析の場合の具体的な実測事例を診てみましょう。それぞれをクリックしてください。測定結果が出てきます。

@赤外線吸光分析 IR 
@有機物質に赤外線を照射すると、化学構造に応じた、分子の振動と回転のエネルギーの波長の光が選択的に吸収を受けます。このときの 物質を透過(反射)した赤外線の強さを縦軸に、波数(波長の逆数)を横軸に取って記録したものが赤外線スペクトルチャート(クリックして見られるもの)です。こうして化学構造を推察するものです。実例チャートに ニトリル基(-CN) の特性吸収帯が見られます。このように化学結合基に応じた吸収帯が検出されます。この吸収帯には 熱で分解しやすいもの、分解しにくいものがあり,これらを併行評価して 有機物の劣化や変質状況を把握する事も可能です。
A反射吸光度分析 
A 有機物質は熱劣化すると変色する。之は化学構造が変質して発色団や助色団を形成したためである。従って こうした変質部位に光を当てるとその色相に応じて 反射する光の減衰する強度に変化が生じる。この強度の変化の比を反射吸光度として 材料の状態変化(熱劣化等)を評価する方法がある。特に外乱による精度を維持するために、劣化で変化しやすい波長と変化しにくい波長の2波長群で この差の相対的な評価する方法が有効である。これは 赤外線吸光度分析の場合と同じである。材料の活性化エネルギ、実用時間、吸光度差ー換算時間(温度*履歴時間に関する寿命的状態量)など調査して 材料の寿命などを評価できる。
B 差動熱量計 DSC 
B 示差走査熱量計(Differrential Scanning Calorimetry)で 試料と参考物質を同時に加熱して両者の温度が等しくなるように 必要なエネルギを温度・時間に対して記録して 試料から放出 あるいは 吸熱される状況を評価する。 上側の吸収が発熱、下側の吸収が吸熱で 融点などの評価に有効。
C示差熱分析/熱重量分析(TGA/DTA)
C 熱重量分析(Thermogravimetric Analysis ;TG) は 温度を変化させるか または一定温度で 試料の重量変化を測定して 熱分解、熱反応、などを知る事ができる。試料の雰囲気ガスを変えて 試料と気体との反応性も診られる。各種材料の耐熱性評価に有効である。<BR> DTA(示差熱分析;Differential Thermal Analysis)は 一定の速度で温度を変化させて 試料と参考物質で熱挙動の差を時間や温度に対して評価する方法で 熱重量分析と組み合わせて 転移温度や融解・発熱などの相変化を見ることができる。
D 熱機械分析 TMA
DTMAは、試料の温度変化に伴う形状変化(試料の熱膨張や軟化等)を 静的な 非振動的な荷重下で測定する熱分析法です。 試料に荷重を与えながら、加熱炉にて試料温度を変化させ、この温度変化に対応した、試料の熱膨張や軟化等、変形等に伴う変位量を計測して 評価する。ガラス転移温度、熱膨張係数などが判明する。
E 粘弾性スペクトロメータ TBA
ETBAは、試料の温度変化に伴う粘弾性挙動変化を測定するもので 機械的損失tanδ をみて評価します。ココには示していませんが 同時に弾性率の温度変化も見られるのでガラス転移温度、剛性などから 熱劣化などの評価にも採用されます。
F 熱分解 ガスクロマトグラフ(GC) ー 質量分析(MS)
F 有る媒体に固定された固定相に接して流れる移動相に混合成分をのせ、成分分離を行うクロマトグラフィーの中で、移動相に気体を用いる分析装置をガスクロマトグラフ(GC)といいます。有機物などを熱分解してガス化して之をガスクロマトグラフにて分子構造などの解析を行う。 このGCと質量分析計(MS)を連携させたものがGC-MASSで 成分同定に有効です。質量分析の一例は以下です。
Gココには質量分析計の実例があります。