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電気機器絶縁内部の発熱現象 |
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| 電気機器は 導体に電流を流して使用します。このときに 電流を流す導体コイルには一般的に |
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| 銅が使用されますが このどうにもある程度の電気抵抗があるので この抵抗に基づく発熱 |
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| (これをジュール熱といいます)が生じます。一方 電気機器は 電気の流れる導体には絶縁 |
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| を施し、接地防止を図ります。 |
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| このため 絶縁には ある程度熱に強い、耐熱性が良い事が必要です。 |
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| 特に 発熱が大きい部分で 絶縁が発熱で劣化(絶縁が熱分解する)すると 予想以上に |
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| 温度が上がることがあります。この例を示しましょう。イメージは以下のようです。 |
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絶縁(モールド樹脂) |
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絶縁が導体コイル熱 |
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で剥離・劣化ガス発生 |
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導体コイル |
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発熱が大きくなった |
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| 上のイメージモデルでの ガス化空間(G)が 絶縁物の熱による分解ガスが充満することになります。 |
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| 絶縁物の分解ガスは絶縁物の元の分子量よりも大幅に小さい低分子ガスです。それは低分子の |
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| ガスが狭い空間(G)内部で暴れまわる事になります。ガスが狭い空間でぶつかり合う度合いが |
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| 圧力ですから この空間(G)は 圧力が急増してゆきます。 |
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| さてこのような事象はコンプレッサなどと同じ断熱圧縮の事象なのでこれを解く事になります。 |
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| 空間(G) の体積は V0 で変わらない場合 |
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| 初期状態でのこの空間内での温度 T1、 圧力 P1 としましょう。 |
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| これが発熱で(G)が圧力上昇してP2になった。このときの温度T2は どうなるでしょうか。 |
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| これが 今回の求める解答です。 |
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| 絶縁物は一般に有機物でこの熱分解ガス成分には水素、アセトン、プリピレン、ブチレン、キシレン等です。 |
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| これらの分解ガス等のCp/Cvは空気と変わらないのでγ=Cp/Cv=1.4としました。 |
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| Cpは容積一定でのガス比熱、Cvは圧力一定でのガス比熱を示します。これらの比が関係します。 |
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| このように初期の温度、圧量 と 運転後の温度、圧力の 関係は以下になります。 |
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| 基本式は |
(T1/T2)^γ = ( P2/P1)^(1-γ) |
でこれを入れ替えすると |
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P2^(γ-1)=(P1)^(γ-1)/(T1/T2)^γ |
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| 最終的に |
P2^04=(p1)^0.4/(T1/T2)^γ |
が得られますのでこれを解きます。 |
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なお 温度は 絶対温度表示が必要です、 |
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| 計算の一例は 以下のとおりです。 |
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T1;℃ |
K:ケルビン |
T2 ;℃ |
K:ケルビン |
P1 ;atm |
P1^0.4 |
(T1/T2)^1.4 |
P2^0.4 |
P2 |
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| ケース1 |
130 |
403 |
200 |
473 |
1 |
1 |
0.7991374 |
1.25135 |
1.7516 |
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130 |
403 |
250 |
523 |
1 |
1 |
0.6942641 |
1.44037 |
2.4899 |
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130 |
403 |
400 |
673 |
1 |
1 |
0.4877598 |
2.05019 |
6.0185 |
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| ケース2 |
150 |
423 |
200 |
473 |
1 |
1 |
0.85520635 |
1.169308 |
1.4785 |
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150 |
423 |
400 |
673 |
1 |
1 |
0.52198188 |
1.915775 |
5.07997 |
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| ケース3 |
180 |
453 |
230 |
503 |
1 |
1 |
0.863659 |
1.15786 |
1.4426 |
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180 |
453 |
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673 |
1 |
1 |
0.5745349 |
1.74054 |
3.9968 |
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| 結果は 上の表のとおりです。空間(G)内部のガス圧があがると かなり 温度も上がることになり |
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| 更なる絶縁物の劣化を促進する事です。場合によっては 絶縁物は 内圧上昇に耐え切れずに |
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| 爆発 (バースト) することがあります。 |
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| 以上のように 耐熱性の良くない樹脂で電気機器を覆うと この樹脂の劣化がガス化・ |
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| 圧力上昇 そして 温度上昇に至り 大きな劣化促進・寿命消耗の原因となります。 |
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