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2000年度講演会

早稲田大学現代文学会企画 2000年度講演会

「小説家の閾(いき) 〜ことばとことばの向こう〜」

講演者:保坂和志
 保坂和志氏は他領域との緊張関係を維持しつつ、小説家という位置にとどまることで「ことばの向こう」を志向し続ける。
 一見何も起こらず、何も語っていない様に見える氏の小説世界であるが、ことばと世界とのせめぎ合いが絶えず続けられている。氏は次のように言う。

言葉は世界を包括できない。言葉は世界から生まれたのであって、世界が言葉から生まれたのではない。
言語哲学や分析哲学はそれを認めようとしないけれど、言葉より先に世界は厳然としてあり続けてきた。


故に言語は世界の全てをあらわすことはできない。そして、人間は言語内でのみ物事を捉えているのでもない。
 保坂氏は言葉ではあらわされてこなかったものを「小説家の閾」という境界線上において、言語化しようとする。彼はその作業を「別種のディスクールを準備すること」であると呼ぶ。
 講演では保坂氏の言語観・小説観を語ってもらう。「別種のディスクール」とは何か?保坂和志は世界を語れるのか?

■講演者紹介
保坂 和志
1956年、山梨県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。1990年『プレーンソング』でデビュー。93年、『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年、『この人の閾(いき)』で芥川賞、97年、『季節の記憶』で谷崎潤一郎賞と平林たい子賞を受賞。他に、エッセイ『羽生 21世紀の将棋』『アウトブリード』、小説『猫に時間の流れる』『<私>という演算』『もうひとつの季節』などがある。
■開催日時・会場
11月29日(水) 16:30開場 17:00開演
早稲田大学大隈小講堂
※入場料無料
■アクセス 地下鉄東西線早稲田駅下車