天上の虹・各章あらすじ
「天上の虹」とは?
【著者/出版社】
里中満智子/講談社
【掲載誌】
mimiデラックス(〜4巻)→mimiエクセレント(〜13巻)→以下描き下ろし(〜23巻、完結)
【コミック版】
第1巻〜第15巻 mimiKC
第15巻〜第23巻 KISSKC
【漫画文庫版】
第一期1〜6巻
全6巻セット
(コミック版の1〜13巻に相当)
第2期7〜11巻
(コミック版の14〜完結まで)
第41代の持統天皇の、愛と苦悩に満ち満ちた生涯を描いたマンガ作品です。
小学生、中学生向けの歴史少女マンガとして連載が開始されましたが、
広い年齢層から反響があったため、途中で路線が変更され、日本書紀等の「史実」に基づいた
歴史作品としての色が濃くなっていったのだとか…。そのため、
間違いなく日本史のテストに役立つ作品ですので、是非ご一読あれ!
きっと歴史が好きになると思いますよ!
以下に各章のあらすじを紹介します。完全にネタバレですので、未読の方は御注意下さいね。
第1章「大化改新」
西暦645年、中大兄皇子の妻・遠智娘は、二人めの子を出産する。鵜野讃良、後の持統天皇の誕生である。その年、中大兄は中臣鎌足らと謀り、蘇我入鹿・蝦夷親子をクーデターにより滅ぼす。叔父の軽皇子を天皇に据え、彼等は大化改新を決行する。中大兄は権力の分散を押さえるため、謀反の疑い有りとして、吉野に隠遁していた古人大兄皇子を殺害、続いて遠智の父・蘇我倉山田石川麻呂を殺害した。これにより遠智は心を破壊され、翌年言葉の不自由な皇子を一人産み落とし、そのまま亡くなった。讃良は、必ず父よりもえらくなってみせると誓う。
第2章「有間皇子」
時の天皇の皇子・有間は、父を悉く蔑ろにする中大兄に、真っ向から向き合っていた。そんな彼を、中大兄は「目障り」に感じるようになる。ある日有間は、皇后で義母の間人皇女と、こともあろうに実兄の中大兄との密会の現場を目の当たりにしてしまう。有間は激しく中大兄を憎み、その娘讃良を玩んで捨ててやろうと思うが、子供の純真な心を利用するのは間違いだと気付き、彼女を守っていこうと決心する。しかし中大兄と天皇の対立は深まるばかりで、遂に中大兄は難波に天皇を置き去りにして、飛鳥に帰還してしまう。絶望した天皇は病に倒れ、遂に亡くなる。そして有間は、気が狂ってしまうのだった。
第3章「額田王」
中大兄は、亡くなった遠智の面影を求めて、鏡王女を妻とするが、それでも心満たされず、弟の大海人皇子の妻で鏡王女の妹の額田王に興味を示す。娘の大田(讃良の姉)と引き換えに、額田を譲って欲しいと大海人に申し出る中大兄。しかし大海人はその気にはなれない。それでも中大兄は大田を大海人に嫁がせる。また中大兄は、本当に有間が気が狂ったのかどうかを怪しみ、紀の湯で療養中の彼のところへ、大海人を差し向け、ことの真偽を探ろうとする。結果、有間は気の狂った振りをしていることが判明するが、大海人は讃良の為に、兄には嘘の報告をする。しかし「女一人譲れない人間を信用できない」と言われ、大海人は遂に額田を譲る。額田は大海人の涙を見て何か深い事情があることを悟り、何も聞かずに中大兄の元へ行くのだった。
第4章「建皇子」
父の命令で、姉と同じく大海人の元に嫁いだ讃良。大海人は、姉妹二人と共に、建皇子をも引き取って、守っていくと言う。そこへ、紀の湯から有間が戻ってくる。口のきけない建の前では素直になれる有間。讃良が自分を忘れて大海人に嫁いだと考える有間に、建はまだ讃良が有間を愛していることを伝える。しかし、建が突然病に倒れ、有間に狂気を装うのはやめて欲しい旨を伝え、亡くなってしまう。建の死に哀しむ中大兄の母・斉明女帝に、有間は紀の湯への行幸を勧める。有間は、建の遺言通り、狂気の芝居をやめたのだ。斉明女帝は政府共々紀の湯へと赴く。しかし、空になった都で、有間は中大兄の腹心・蘇我赤兄の罠に陥り、謀反の疑い有りとして捕らえられてしまう。
第5章「別れの歌」
有間は取り調べの席で、何も弁解せずに死に臨んだ。有間の死に絶望した讃良は、病に臥せり、起き上がれなくなる。夢に有間を見、共に行きたいと願う讃良。大海人はそんな彼女を懸命に看病するのだった。目覚めればいつも大海人が側にいる。讃良は大海人を愛していることに気付き、彼と共に生きていこうと決心する。