岩船寺(2007.9.16 晴れのちスコール):青垣

岩船寺本堂

岩船寺に行ってきました。花のお寺だけあって、各花の盛りにはまた別の顔が見られるんじゃないかと思われる境内。 今の季節は特に盛りの花もなかったんですが、サルスベリの花が咲いていました。

・本尊:阿弥陀如来坐像…行基作と伝わるけど、平安時代。天慶9年銘アリ。非常にどっしりとして大きな阿弥陀さまですが、 圧倒される感じや、メタボ感(爆)は受けません。お寺の方曰く、ほぼ個人(藤原頼道)のために造られた平等院の阿弥陀様とは違って、 衆生のために作られたブツなので、腕が太く、見る者に対して安心感を与えるのだそうです。そう言われると確かにそんな感じが。 一度にたくさんの衆生を浄土に導いた実績が感じられる腕です。包容力もかなりあります(断言)。青垣的には「トップオブ阿弥陀」出ました。 また、この阿弥陀さまは非常に装飾が少なく(天蓋がない!!)、シンプルイズベストを体現されてます。 じーっと見ていても全然飽きず、御前から本当に離れがたかったです。うーん、素晴らしい。

・普賢菩薩騎象像:…平安時代。辰、巳年生まれと女性の守り本尊。まさに私のためにあるようなブツ(爆)!! 法華曼荼羅を背負って厨子の中に象と共におさまってらっしゃいました。またライトアップが効いててカッコイイんだこれが!! 象のポップ(というよりアヤシイ)表情とは対照的に、静かに瞑想していらっしゃるかのようなお姿でした。

・十二神将像…あると思わなかったのでびっくりしました。3〜4頭身の、まるで「7人の小人」みたいなユーモラス像たち。 たまに面を被ってるみたいな状態になってる、顔がズレかけのヤツが混じってたりします。怖いというより、コワカワイイ、みたいな??

印象的だったのは以上のブツたち。他に、十一面観音や薬師如来、不動明王や弁財天などもいらっしゃいましたが、 やっぱり本尊の阿弥陀が素晴らしいの一言に尽きます、本当に!!

邪鬼!

本堂と阿字池を挟んで、三重塔が建っています。この隅垂木を、なんと邪鬼が支えているのです。なんとも言えない顔をしていました。 4隅が合計3重あるから、全部で12匹いると思われます(数えませんでしたが)。支えてるっていうか挟まって抜けられない感じかしら。 でも無表情で耐えています。これをかたどったものが本堂内に置いてあって、撫でることができるんですが、この像は目が空洞になってて、 むしろホラー感が出ていました;一応、天邪鬼な心が出てこないよう、お賽銭を入れてなでなでしてきましたが…。

貝吹岩からの眺め

三重塔に向かって右手奥に、木の段が伸びています。途中に聖天さんの祠があって、更に左手に向かって道が伸びています。 興味本位で登って行ったところ、道しるべに「貝吹岩」の文字がありました。友人が「磐座かなあ」なんて言うもんで、 俄然興味が沸いてずんずん登って行くと、突然視界が開け、写真のように下界を見下ろすことができました。ちょっと曇りがちで かすんでましたが、なかなかいい眺めだと思いません??
(貝吹岩は、その昔お坊さんたちを集めるために岩の上でほら貝吹いて合図を出したことに由来するそうです。 当尾は本当に「石」に恵まれた地域だと思いました。興味のある方は是非石仏巡りをしてください。)

岩船寺は本当に閑静でいいお寺だと思いました。また、紅葉の季節とか、紫陽花の季節とか、境内が綺麗に色づく頃に尋ねてみたいと思いました。 トップオブ阿弥陀も出たしね…!!

文殊さんち。

オマケ。
門前の有料駐車場(自家用車1台200円)、「もんじゅ」って名前だったんですが、 なんと、詰め所の壁に「文殊」と書かれた表札が貼ってありました!!あまりに粋だったんで思わず写メ(笑)。 よく見たら発泡スチロールで出来ていました。 こういう細かい芸、大好きです。

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