得たものはとても大きく
失ったものもまた多い
ただ一人のために
他の人を失うことは正しいのでしょうか?
得られるものと失うもの
あの人の周りにはたくさんの人が集まる。
カリスマというのだろうか。
自然と人を惹きつける。
当然女性も多く、私もその中の一人だった。
同世代の女性にとって碇君は魅力的な存在。
それゆえにライバルはつきない。
数多い友達も彼に思いを寄せていた。
同じ人を思うのはとても嬉しいことでもあり、悲しいことでもある。
碇君が誰か一人を選べばこの関係が崩れそうな気がしていた。
唯一なる人として選ばれることは確かに嬉しい。
けれど、それは今の友達を失うことでもあった。
ある日突然、私は彼から思いを告げられた。
好きだから傍にいてほしい……と。
心が満たされて、涙が出てきた。
当然返事はYES。
彼に抱きしめられながらただ幸福感に身を任せていた。
私が選ばれたことはすぐにみんなに伝わった。
嫉妬と祝福の目が私に注がれる。
すべての人と今までの関係を続けることは出来なくなっていた。
自宅にて夕食の準備をしていると、親友を含めた友人が押しかけてきた。
ビニールの袋にたくさんの飲み物を携えて。
恐る恐る除いてみれば予想通りのアルコールの数々。
今日は荒れそうだなぁと心の片隅でため息をついた。
もはや飲むというよりは、胃の中に流し込むといった光景が目の前で広げられる。
当然正常な思考ではなく、アルコールによって気分が高揚していた。
そんな中一人の人が碇君の話を持ち出す。
みんなこのために今日は来たらしい。
ただ言いたいことは一言。
『別れたりしたら絶対に許さないからね』
選ばれた以上絶対に幸せになりなさいだって。
すごく勝手な意見だけど、仕方ないよね。
他の人は悲しいのだから。
でも、それだけで済んだことは嬉しい誤算。
私は目の前にいる人たちを失うと思っていたから。
ただ一人の男性のために。
人の思いは理屈じゃない。
感情がそれを凌駕する。
多くを失っても得たいものがある。
それを私は手に入れた。
大切な人として求めてくれた彼に感謝し
悲しみながらも祝福してくれた友達に感謝する。
ありがとう…と。
あとがきというなの戯言
O:リク…久しぶりに書いた。
R:さぼっていただけ。
O:ぐ…反論できませ〜ん。
R:で、この話の主人公は誰?
O:さぁ?
R:…(怒)
O:そ、想像にお任せしますぅ
R:あなた……最近全然LRSじゃないのね。
O:そ、そんなことはないんだけどなぁ…次のリクはきっちりレイちゃんだしますよぉ。
R:そう…期待してるわ(ニヤッ)
O:びくぅ
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