何を願うの?
何を望むの?
私の願いは……
私の望みは……
願い、望み…
私の願いは無への回帰
私の望むものは魂の開放、絶対の自由
約束の時が来ればそれはかなう
アダムとリリスの禁断の融合
回帰への序章
それが私の願いであり、望みであったはず…
碇シンジ
補完計画の依代となるべく選ばれた人物
私を無へと連れて行ってくれる存在
碇司令の息子で、サードチルドレン
そして、絆をくれた人
その時から願いが一つ増えた
『彼と一つになりたい』
約束の時を迎える
碇シンジとの融合
私の願いの一つであり、回帰への繋がり
彼の心が私に触れる
私の心が彼に触れる
他には何もない世界
二人だけの世界
それだけで私の心はどうしようもなく高まる
「……はぁ」
しびれる様な感覚
体の中を駆け巡る快楽
人に抱かれること、その心地よさを感じる
人を抱く、その心地よさを感じる
今の私は彼でもあり私でもあるのだから
私を求める彼の思い
彼を求める私の思い
私という存在が溶けてしまう
貴方の中に
暗転
「碇君」
私は幼馴染の碇君を起こす
彼は寝起きが悪いからなかなか起きない
「う〜ん…後5分」
布団に身を包み眠りへとついてしまう
強硬手段として、布団を取り上げる
バサ
布団を取り上げると、そこに彼の朝の生理現象が見えた
慌てて目をそらす
「仕方ないじゃないか、朝なんだから」
言い訳をしてくる
分かってる、でも慣れることはできない
「いってきま〜す」
遅刻ギリギリの時間
間に合うようにするためにひたすら走り続ける
「今日転校生が来るんだってさ」
「そう」
「かわいい子だったらいいなぁ〜」
その鈍感さが私を苦しめる
こんなに私はあなたのことを思っているのに…
暗転
トントントン
包丁がまな板に当たる音で目を覚ます
「ん・・・」
「起きたの?」
包丁を動かす手を休め、こちらを振り向く
「シンジくん」
私の恋人
最愛の人
「おはよう」
「…おはよう」
ああ、寝癖が立ってる。
恥ずかしい
「随分疲れていたみたいだね、よく眠っていたよ」
「そうみたい」
「大丈夫?」
心配そうに顔を覗き込んでくる。
「大丈夫」
心配はかけたくない
それに本当に大丈夫だもの
彼に顔を近づける。
キス
朝に絶対にすることに決めた約束事
とても、気持ちのいいこと
彼を感じることができるから
暗転
シャワーで体を洗い、夫がいる寝室へと向かう
結婚して1年
ようやくあなたと呼べるようになった
今でも少し恥ずかしい
ベットへ向かうと彼が待っていた
彼のもとへ近づき、ベットへ横たわる
彼の手が私の体へと触れる
全身を優しく愛撫する
「…ん、はぁ」
心地よい快楽
私を求めてくれるのが分かる
一つに
とろけるような感じ
いつまでもこうしていたい、彼とともに
暗転
今までのものは何?
幼馴染の私
恋人の私
妻の私
これは彼の願い?
…いえ、私の願いね
そう、私は…
「彼とともに生きたい」
でもそれはできない
もうすぐ無に帰るから
せめて、貴方の願いを叶えてあげる
さよなら、愛しい人
私の願いを、望みをかなえてくれてありがとう
あとがきというなの戯言
O:4000HITです。
今回は詩のような感じで書いてみました。
R:私はどうなったの?
O:本編どおり希望となってしまいました。
R:そう…
O:結ばれることだけがハッピーエンドとは限りません。
いなくなってもなお、レイちゃんの存在が彼の心に残ります。
R:碇君を苦しめている原因になりそう。
いなくなってもなお、彼の心を縛り付ける。
O:それはシンジ君しだいですな。
先へ進むか固執するか。
R:ん…
O:次は痛いものにでもしようかな。
R:…ダメ。
O:最近壊れているから<おい
5000HITはメイドな〜にするか他のにするか……こうご期待?
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