GURPS D.D.S.  Episode2.5


 
(前回までのあらすじ)
 七月某日。
 今日はオンラインによるガープス女神転生テストプレイ・セッションの日である。新たなプレイヤーを迎え、記念すべき第3話目となるはずであった。
 が。
 あるプレイヤーの都合により、予定人数が足りなくなってしまったのである。めずらしくシナリオをちょっと考えてきたのに!(おいおい)
 頭を抱える私ことKM。
 ……だが、嘆いても仕方ない。他のプレイヤー様方にも申し訳ない。なにより、このままではあどりばー(註:シナリオ考えてこない人)の名がすたる。
 デビルマスターKMは10分の猶予をいただき、話の大筋を考え始めるのだった……アレ? これあらすじ?
 
 
そんなわけで(どんなわけだ)、今回のPCたち。
 
乃原勇気(のはら ゆうき):教会幹部の両親の元に生まれ、教会の意思の体現者・テンプルナイトとしての人生を歩んで来た青年。だが、ある時その立場に疑問を持ったことから、現在では教会との関係を断っている。
 他のPCたちより少しだけ年上の18歳。現在、叔父の大樹が店主を務めるパン屋「ワイルドローズベーカリー」に居候の身である。矢束高校の卒業生で、昼休みには購買でパンを売る彼の姿が見られるとか。今回が初参加。
 
高梨聖羅(たかなし せいら):妖精を友とし自然と共に歩む魔女たちの技「ウィッカ」の伝統を受け継ぐ少女。呪術の腕はまだまだ未熟だが、魔女としての知識でパーティを導く。
 落ち着いた常識人に見えて、けっこう感情の起伏が激しかったり、直情的なところがあったりと、見ていて面白い存在である。あきらめてもっとはっちゃければいいのに。これから経験を積むことで、立派な魔女に成長してゆくことであろう……たぶん。
 

 
DM:んじゃなし崩し的に始めまーす(笑)。
聖羅:はーい!
勇気:ういういー。
DM:さて、時は五月のある日の昼下がり。
聖羅:そーいや1話は4月だった……2話はもっと後に起こりますが、まぁ、おいといて。
 
 だから前回「たまに時期が逆戻りする」って言ったでしょ(言えばいいというものではない)。
 
DM:どっちからにすっかなぁ……じゃ初モノということで、勇気からで。
勇気:はいはいー。
 

 
〜パン屋「ワイルドローズベーカリー」〜
 
DM:君の叔父さんが、パンを捏ねてた勇気に声をかけます。
DM/叔父さん:「おーぅ、ちょっと頼まれてくれ」
勇気:「ほへーい。何ー?」
DM/叔父さん:「この間話してたパンなんだが。ちょっと材料が足りなくてなぁ(ぽよんぽよん)」
勇気:「ふむー。何の材料なの?」
DM:ちなみにぽよんぽよん、というのは腹の揺れる音だよ?(どうでもいい)
勇気:そうだったのか……(笑)。
DM/叔父さん「ダンシングリーフつー香草……ハーブだな。この季節の、ウチの売りなんだよ」
勇気:「ああ、なるほど。この間言ってたアレねー」
DM/叔父さん:「というわけで勇気、ちょっとお使いに行ってきてくれ。おまえも知ってるだろ。高梨さん家、あの洋館の。ウチはいつもあそこからハーブを仕入れてるんだよ」
勇気:「へーい。了解ー」
DM/叔父さん:「んじゃ頼むな。これ、お代」1D6を振りたまえ。
勇気:(ころころ……5)
DM:では君は5万円受け取った。一応RPGらしいことをやっておかんと。
勇気:(笑)
DM/叔父さん:「夕飯までには帰れよー(ぽよよん)」
勇気:「あ、叔父さん、俺が今捏ねてた生地よろしくお願いー」と言っておきつつ、出かけますかね。
DM:つーことで、君は高梨さん家に向かう。初めて行くのか、すでに顔見知りかは決めてよいです。
勇気:じゃあ初めてってことで。
DM:では、君は高梨家に辿り着く。
 

 
〜高梨家〜
 
DM:(モノローグ)……重厚な、扉だった。
勇気:(立派な屋敷だなあ)
聖羅:……うちはダンジョンですか?(笑)
 
 誰も『飢狼伝(原作)』読んでないのか……。
 
DM:聖羅さん家、何か商売をやってるんだっけ?
聖羅:家ではやってないですね。ママが隔週くらいでハーブ講座開催するくらいで。パパは高校教師です。
DM:はいはい。ではそういう案内なんかが玄関の所に掛かってる、ってことで。
勇気:ふむふむ。
DM:さあどうする?(いやどうするって)
勇気:じゃあインターホンとか鳴らしつつー。
DM:では罠が発動した。
聖羅:はい!? うちはダンジョンですか、本当に!
DM:じゃなくて、聖羅さんとお母さんどちらが出ようかしら……まずは母にするか。
勇気:素でびっくりした……(笑)。
 
 ちょっとしたお茶目が、なぜ通じないんだろう?(ヒント:普段の行い)
 
DM:「はーい?」と女性の声がして、ドアが開く。
勇気:「どーも。ワイルドローズベーカリーの見習いです」
DM/女性:「あらあら。聞いてますよ、さ、どうぞどうぞ」
勇気:「そいじゃ失礼します」
DM:せっかくなので聖羅さんにお母さんの外見的描写をよろしく(他力本願)。
聖羅:そうですねぇ……わたしより大分向こうの血が濃く見えます。ぱっと見、日本人には見えないんじゃないかな。ウェーブのかかった亜麻色の髪を腰あたりまで伸ばしてます。
勇気:なんかすごく説得力のある外見だなあ、とか思っていよう(笑)。
DM:ねえ(笑)。
聖羅:かわいいよ、うちのママ(笑)。いっそこれくらい異国風なら、わたしも髪にコンプレックス抱かなかったはず。ママまでは直接「本場の魔女」に手ほどき受けてるから、やっぱりそれくらいじゃないとと思って。
 

 
 〜In The TeaPot(嘘)〜
 
DM:とまあ、そのママの案内でそのへんに座らされて、ついでにお茶が出てくるよ。
聖羅:聖羅が運んできましょうか?
DM:ああ、ではそうしましょ。
聖羅:「紅茶がはいりましたよ」と言って居間に登場します。自分の分と合わせてちゃっかり3つ用意してあります(笑)。
勇気:じゃあ「あ、どーもありがとうございます」とか言いつつ頂きます。
聖羅:「はじめまして、今日はパン屋のおじさんじゃないんですね」と言って、わたしも席に着きます。
DM/聖羅ママ:「あらあら、乃原さんのところにこんなステキな息子さんがいらしたなんてねv」なんて言ってます。
勇気:「あー、まあ甥っ子なんですけどね。色々あって修行中なんですよ」
DM/聖羅ママ:「偉いのねー。こっちは娘の聖羅です。よろしくね」
聖羅:「聖羅です。よろしくお願いします」ペコリ、とお辞儀。
勇気:「おや、そうなんすか。こちらこそ宜しくお願いします」ぺこり。
DM:ではそんな感じでしばらくお茶した後、
DM/聖羅ママ:「じゃあ聖羅、ちょっとお願い。(勇気に)ごめんなさいね。すぐに見てくるから」と言って庭に出て行きます。
聖羅:「はーい」
DM:庭からはハーブの採取時の作法である、あやしげなチャント(詠唱)が聞こえてきたりする。
勇気:(うへ、なんかすごいな、呪文……?)(笑)
聖羅:あーやっぱり(笑)。「気にしないでくださいね。うちに伝わるお呪いみたいなもんなんで……」
DM:さあ、二人きりだぞぅ。
勇気:2人きりだけど話題があんまりないなあ……(笑)。「同じ学校ってことは、聖羅ちゃんは俺の後輩にあたるんだっけ」
聖羅:「そうですね。わたし、2年A組です。勇気さんは?」
勇気:「や、まあ実は卒業生。今は学食で購買員のアルバイトをやってるんだけどねー、普段は来ないのかな」
聖羅:「わたし、いつもお弁当だから……食堂って、数えるほどしか行ったことないんですよ」すまなそうな顔をして。
勇気:「なるほど。まあ、お弁当作ってくれる環境っていうのも大事だし、お母さんは大切にしなね」(しみじみ)
 
 勇気には、教会の幹部である母親との確執という設定があります。それを踏まえての台詞でした。
 
聖羅:「家族は大事な人です……でも、ちょっとだけ複雑だな。半分だったらまだいいけど、あたし、4分の1だもん……」(後半小さな声で)
勇気:「まあでもそれはそうとハーブ入りパン焼けたら学校でも売るんで、是非どうぞー」
聖羅:「はい、そのときはぜひ! 合いそうな紅茶、持って行こうっと」
 
 聖羅さんは聖羅さんで、自らのアイリッシュ・クォーターとしての立場、ひいては似た立場にありながら、そうした問題をまったく意に介していないように見える母親に対してもコンプレックスがある様子。
 いろいろ複雑です(他人事)。
 
DM/聖羅ママ:そうこうしてるうちに聖羅ママが戻ってきます。「二人とも、気が合うみたいで嬉しいわ」
聖羅:「うん。ハーブのほうの出来はどうだった?」
DM/聖羅ママ:「それで、なんだけど。(勇気に)ごめんなさい、ちょっと必要な量には足りないかしら……」
DM:とママが持ってるハーブはしょぼしょぼ。
勇気:おやまあ。
聖羅:ありゃーっ、ママらしくもない。「どうしちゃったの、この子たち!?」素で驚いてます。
DM:ママも考え込んでいます
DM/聖羅ママ:「おかしいわね……この時期、このあたりでは妖精界の力が……なのに……(ぶつぶつ)」
勇気:(なんか凄そうな人だなあ……)
聖羅:わーっ、オフレコオフレコ! 「と、とにかく、別のところから持ってくるとかしないとね!」
DM:聖羅ママは我に返ります(笑)。「そ、そうね。どうするか考えないと」
聖羅:きっと天然の気があるんだ、うちのママ……ポン、と言っちゃいけない事言っちゃったりするんだ、きっと。
 
 ホントはもっと電波な面白い人にしたいんだけどナー……(うずうず)。
 
DM:いざとなったら紅茶に忘れ薬を……とか考えているのかもね(笑)。
勇気:(ていうか実は広義ではわりと俺と同類項な人たちなのか、ここの人たち)
聖羅:おねがい、そういうとこで魔法を使おうとしないで……(泣)ってかばれてる!?Σ
DM/聖羅ママ:「そうだわ(ぽむ)。この街の北にある山にこのハーブの群生地があるの。せっかくだから、株分けしてもらいましょ」
聖羅:「大丈夫? 野生のもの持って来ちゃって」実際、問題になること多いのですが。
DM/聖羅ママ:「だ・か・ら、お願いするのよ(ニコ)」
DM:ママ的には、妖精に断りさえすれば問題ないので。
聖羅:まぁ、本当の所有者に断りいれてるんだからね……意味を察して、ため息。「……分かったわ」
勇気:なんか大変なことになってるのかしら。よく分からんが(笑)。
DM/聖羅ママ:(にこにこにこにこ→勇気)
勇気:「あ、あー、手伝えることがあれば手伝いますがー」
DM/聖羅ママ:「あら、本当? じゃあ乃原さんとこに連絡しなくちゃ(いそいそ)」
勇気:(なんか怖いなあこの人、俺大丈夫なのかなあ……)(笑)
DM:怖がられてる!?
勇気:笑顔が怖い……(笑)。
聖羅:ママに耳打ち「ちょっと、勇気さん連れて行くって、もっとまずくないの? 向こうの妖精さんと話しなきゃいけないのに」
DM/聖羅ママ:「だいじょぶだいじょぶ」ヒラヒラと手を振ります。
聖羅:「いいのかなぁ……」一応ジト目でママを見ますが、絶対堪えないんだろうな、ママ……。
DM:じゃアイコンタクトで聖羅に返そう(どんなだ)。『彼は大丈夫よ。彼は"こっち側"だから』
勇気:ひい、読まれている(笑)。
聖羅:アイコンタクトに「なっ」思わず声が出ますね……「それじゃあ、一緒に行きましょうか、勇気さん」不安を押し殺して、笑顔で。
勇気:「おっけー、それでは改めてよろしく」
DM/聖羅ママ:「(電話口で)……もしもし、高梨ですが。かくかくしかじかで……はい。そうですか? ではお手伝いしてもらいますねーv(ガチャ)」
勇気:「あ、なんか勝手に(叔父に)了承されてる」ぼそ。
DM/聖羅ママ:「ごめんなさいね、勇気君。こんなことに付き合わせちゃって」確信犯である(笑)。
勇気:「いえいえ。おいしいパンを確実に作るのがパン屋の義務です」
聖羅:パン屋の誇りだね、そこは(笑)。「それじゃあ、早速行きましょうか」
DM/聖羅ママ:「こんな立派な弟子をお持ちで、乃原さんがうらやましいわ。というわけで、はい(手渡し→植木鉢とスコップ)」
勇気:「っと、普通に植え替えてくればいいんでしょうか?」
DM/聖羅ママ:「そのへんは聖羅が知ってるから。お願いね」
勇気:「はい、分かりました」
聖羅:「えっと、株分けの方法は一応知ってます(《マジックハーブ》習得)から、わたしが指示します」
DM:聖羅さん、その台詞には<草木秘伝>か<園芸>が欲しいところだね(笑)。
聖羅:そうですね……園芸持ってない!(汗)
 
 《マジックハーブ》は調合されたハーブを呪文と共に用いることで、負傷を回復させる呪術です。この術に必要なハーブは、魔女によって育てられたハーブ園、または自然の山野から得ることができます。
 前者の場合は<園芸>、後者なら<草木秘伝>や<自然知識>が必要なわけですね
 
DM/聖羅ママ:「行ってらっしゃーい(ヒラヒラ)」
聖羅:いざとなったら妖精さんに教えてもらおうか……「いってきまーす」
勇気:「行ってきますー」
聖羅:交通手段はどうしましょう?
DM:バスで小一時間ほどです。町の北は山岳地帯が広がっているんだけど、その沢のひとつということで。
 
 ここで各人の所持品を確認。
 現代ものではPCによって手に入れられるものが大きく異なり、また特に初期のうちは、それがPCにできることの決定的な差になることも少なくありません(例:武器など)。後から混乱を来さないためにも、本格的にシナリオに入る前に、PCの持てる装備を確認しておくのがいいでしょう。
 
聖羅:植木鉢、スコップ。ナイフも忍ばせてあります。動きやすい格好は必須かな。
DM:呪術に使うハーブも、回数制限があるので数えておいてください。
聖羅:むむむ……ハーブを入手できる手段がない。薬草学がないので……。
DM:では、聖羅さんは家のハーブ園から1D3+1回ぶんのハーブを準備してきたとしよう。
聖羅:ありがとうございます。(ころころ)…2回分。まぁ、仕方がないか。
勇気:こっちも武器になるようなものを持っていくべきなんだろうか。
DM:それは君が普段どの程度警戒しているかによります。
勇気:妖精界云々とか不穏な言葉が出てきたし、一応準備しておくべきなのかなあ……。
DM:早い話が、演出次第で持っていってもいいし、持って行かなくてもいい。
勇気:じゃあ慌てて家に戻って準備してこよう。
DM:では君が昔から持っているブロードソード(品質:優)を。盾は?
勇気:バックラーの大きさって大丈夫かなあ。持っていけるなら持っていきますが。
DM:荷物になるけどね。イザとなれば、適当な大きさのもの(リュックとか)を<盾>−2ぐらいで小楯に取ってもいいですよ。
勇気:じゃあ鍋持っていって使おうかな……。
DM:鍋(笑)。ここは「おなべのフタ」だろう。
聖羅:鍋だと、盾よりもっと持ち運びづらそうです(笑)。
DM:だいたい怪しすぎるぞ(笑)。
勇気:フタだけ持っていくのも変だけどなあ……まあいいや、適当にリュックに剣と鍋のフタ入れて持って行こう。
DM:鍋=ポットヘルム相当、フタ=ライトシールド相当ということで。って本当に!?
 
 まさか本当に持っていくとは……(笑)。
 この乃原勇気というキャラ、設定から当初は「信仰と理想のギャップに悩める騎士」を想像していたのですが……。
 どう見ても天然キャラです。ありがとうございました(和むから)。
 
聖羅:中身は聞かないどこ。「こっち側」と聞いたからには突っ込んで困るようなことはしないでおく。
DM:まさか鍋のフタを持ってるとは思うまい。
聖羅:どこのドラクエだ、と言う話(笑)。
DM:ま、いいや。では1レベル勇者と聖羅はバスに乗り込みます。
勇気:1レベル勇者……(笑)。
DM:で、道中なにもなければ終点。休日ということもあって、ハイカー達で賑わっている。雰囲気としては丹沢あたりでよろしく。
聖羅:普通に人いるのが面倒だなぁ。ハイカーに混じって、沢を目指しますか。
 

 
 〜登山口〜
 
DM:さて、登山口にさしかかったところで、工事の人たちが固まってるのが見えます。
勇気:おや?
聖羅:いやーな予感が……聞いてみるか。「すみません、この先、工事でもあるんですか?」
DM:えーと、どういう人に訊く? 工事関係者か、ハイカーか。
聖羅:工事関係者。できるだけ詳細な場所、もしくは通行止め区間があるのかを聞きたいです。
DM:では反応判定でもしてみるか。一応RPGらしいことを(略)。
聖羅:魅力的、で+1か。(ころころ……9)
DM:「良くない」だね。
聖羅:みすったなぁ……まぁ、通行止め箇所だけでも聞ければいいか。
DM:えーと、まず工事の概要。どうやら山の中腹を整備して、ゴルフ場でも作ろうという計画があるらしい。登山道からは外れた場所です。まあぶっちゃけ、君たちの目的地付近。
勇気:はー。それはよろしくないなあ……。
DM:で。なぜかまだ工事は始まらず、この人たちはここにいるんだね。なんでだろう?(とても白々しく)
勇気:なんでだろう(ぁ)。
聖羅:やっぱりかぁ……工事が上手くいってないから不機嫌だったのかもしれない(笑)。
 
 ごまかした(笑)。
 
DM:行動が決まったら宣言してくれたまえ。
聖羅:とりあえず、現地まで言ってみますか?
勇気:そっすねー。んー、そのへんも聞いてみたいっちゃみたいけど。
聖羅:じゃあ、ハイカーの人から工事の評判聞いて見ます?
勇気:そうだね。工事の人たち不機嫌そうだし。
聖羅:じゃあ、今度はそっちが聞いてみて(笑)。
勇気:了解ー。(ころころ……13)
DM:「良い」である。どの年代と性別を狙ったのか教えてくれ。
勇気:じゃあ中年の人の良さそうな男性あたりを。
DM/ハイカー:「なんですか?」
勇気:「いや、何でもこの山にゴルフ場作るらしいじゃないですか」
DM/ハイカー:「ああ、そうらしいね。どうなのかなあ、せっかく自然が残っているのに」
勇気:「そうですね。なかなかいい山なのに、勿体ないと思います。でもなんかあの工事、停滞してるみたいですよね。事故でもあったんですかね」
DM/ハイカー:「そうらしいんだよ。知ってるかい? なんでも幽霊が出たとか……」
勇気:「幽霊ですか。それは初耳です」
DM/ハイカー:「ははは、本気にしちゃいかんよ。とにかく、工事が何度も邪魔されているのは本当だよ」
勇気:「なるほど……」
DM/ハイカー:「でも犯人が分からなくってね。みんな気味悪がって、ここで相談してるんだとさ」
聖羅:……これはどうするべきなのかな。
DM:補足しておくと、この山はこの山で、昔からいろいろな説話の残っている場所ではあります。
勇気:なるほど……。
聖羅:「幽霊」が出る素地はあると……行く?
勇気:行ってみますか。
DM/ハイカー:「これは怖がらせたかな。大丈夫、山を愛する人間に悪さはしないさ」アディオース、とおじさんは去っていきました。
勇気:「どうもありがとうございました」
聖羅:というわけで、山道をのぼりますか。
勇気:若干警戒しつつ登りますー。
 

 
 〜山野行〜
 
DM:では、意外に勇気のスタミナがなかったことが明らかになったりしつつ目的地へ。
勇気:意外とありません……(笑)。
DM:8はかなりショボイ。
聖羅:「……意外だな」とぼそっと言いつつ目的地へ……って、わたしでも10ですが!?
DM:道中の様子が目に浮かぶようだ。
勇気:ぜいぜい。
聖羅:ひっぱってあげようか?(笑)
勇気:いや、いい(笑)。
DM:んで、途中で登山道を離れて沢に入っていくわけです。そうだな、足場の悪いところがいくつかあったということで、敏捷力+2で判定してもらおう。
聖羅:(ころころ…10)
DM:では聖羅さん。君が沢を越えているとき、ふっと誰かに後ろから押された気がした……が、成功度が高かったのでちょいとよろけただけですみました。
聖羅:え……「あれ?」振り返ってみても、誰もいない、と?
DM:いませんねえ。
勇気:「む?どうかした?」
聖羅:「うん、ちょっとね」軽く流します。
DM:そのとき、辺りに囁くような声がこだまします。
聖羅:出たか……。
DM/声?:「引き返せ……引き返せ……」
DM/声?:「俺たちの住処を荒らすな……」
勇気:うへー。
聖羅:いるものの種類で対応変わるんだけどな……返答を考えないと。
DM:(ころころ)そして勇気、意思で抵抗判定を。
勇気:了解ー。…成功かな。
DM:くっ。じゃあぽわーんとなりかけたけど、なんとか踏みとどまった。
勇気:うーん、厄介だなあ。
DM:なんでそんなのんびりしてるんだ(笑)。じゃあそこで聖羅さん、聴覚判定をしてごらん。
聖羅:はーい。知覚は10か……(ころころ…4)。
DM:ぐはあ。
聖羅:出た!
勇気:おお、すげえ(笑)。
DM:ここでクリティカルかよー。風鳴りとも聞こえたものは、実は囁くような声の集合だということが分かる。この声の調子に君は聞き覚えがある。というか、慣れ親しんだものだ。早い話が、妖精の仕業のようだね。
聖羅:ん……やっぱりというかなんというか。妖精なら話は通じるけど……勇気はどうしよ。ママの言葉を信じるか。
勇気:こっち的には、交渉は専門家に任せたいところ……。
聖羅:しゃあない。アセミィナイフを取り出します。「突然お邪魔して、すみませんでした!」素直に謝ろう。
DM:声に応えて、そのへんの木の陰からノッカーがぴょこんと顔を出す。「あり? あの連中とは違うの、か?」
DM/ピクシー:「でも武器持ってるよ」
DM/ノッカー:「うーん、悪い奴には見えないぞ」
DM:わらわらと木の陰で相談してます。
聖羅:「矢束の町の、高梨聖羅と言います。今日は、ちょっとハーブを分けてもらいたくて……これは魔女の証です」素直に言ったほうがいい。
DM/ノッカー:「魔女だって」
DM/ピクシー:「信用できないよ、人間なんて」
聖羅:ママの名前出すのが一番いいかな? 名前、決めてないけど(汗)。
DM:さあ……妖精は人間の名前なんて覚えてないと思うよ。
聖羅:ですよねぇ(ため息)信用させる手段が必要と?
DM:妖精たちは一様に木の陰から君たちを伺っている。
勇気:ふーむ……どうしたらいいかなあ。
DM:じゃあこちらから行動を起こそうか? 聖羅さん、何かやりたいことは?
聖羅:……よし。ミスったら怖いけど、歌でも歌おう。<歌唱>で、民謡を歌います。(ころころ…1成功)
 
 脈絡なく歌を歌い出すのもアレなアレですが、ここは悪魔の行動で「何か芸を要求する」が出たと考えてください(強引)。
 
DM:妖精たちは警戒しつつ近づいてきます。
聖羅:手を差し伸べてみる。
DM:ピクシー:じゃあその手にぴょんと乗って、「きれいな声ー。ね、もっと歌って?」
聖羅:「うん!」しばらく歌ってよう。こっちも楽しくなってきた(笑)。
勇気:静かに様子を見てよう。
DM:瀬津菜がいればもっとサマになったかもね。
聖羅:瀬津菜ちゃんがいたら絵にもなってましたしね〜。
 
 ※七海瀬津菜…第2話に登場したPCのひとり。歌が上手いヒロインという、限りなく定番を押さえたキャラ。特殊能力は天然ボケ(えッ超能力は?)。性格は天然ボケ(説明終わり?)。
 
DM:そうこうしてると、妖精たちがぞろぞろ出てきて君たちの周りで踊り出すのだ。
勇気:平和だ……(笑)。
DM:(何か考えている)そうだなあ……よし。そのとき、君たちの頭上の樹から声がするよ。
DM/声:「待つニャ!」
勇気:お?
DM:ま、口調でバレバレなのだが。
聖羅:およ? ネコマタ? ケットシー?
DM:後者です(笑)。見上げると、長靴を履いた猫が。
DM/長靴を履いた猫:「わがはいは妖精界の剣士ケット・シー! 邪悪な人間め、成敗してくれるニャ! とう!(くるくるくる……べちゃ)」
勇気:か、かわいい(笑)。
 
 DM的には、ケット・シーはペルソナシリーズ〜メガテンXのイメージなのでした。分からない人はアニメ『ながぐつ三銃士』を見ましょう(譬えが古すぎます先生!)。
 
聖羅:おおっ。初見かもなぁ……「は、はじめまして」
DM/猫あらためケット・シー:「くっ! なれなれしく挨拶される筋合いはないニャ!(がばー)」
DM:ピクシーが説明してくれるよ。「あの子、最近私たちの仲魔になったのよー」
聖羅:わ、ちゃぶ台ひっくり返された感じだ(笑)。「……そうなの?」
DM/ピクシー:「そ。太陽が3回沈む前だったかなー。私たちと一緒に悪い人間と戦ってくれてたのー」
聖羅:「なるほど……」こりゃ、ケット・シーの説得はきつそうな……。
DM/ケット・シー:「ええい、そこ何を仲良くしてる! 人間なんてみんな信用できないニャ! 猫の皮で三味線作ったりするニャ!」
聖羅:「そんな話も聞いたことがあるような……?」三味線の話がよく分からない娘(笑)。
DM/ケット・シー:「ふふん、そこの男」びし、と勇気を指して。
勇気:「へ、……え、何?」
DM/ケット・シー:「見たところおまえは剣士にゃニャ? わがはいたちの領地をかけて勝負するニャ!」
DM/ピクシー:「えー何それ、おもしろーい」周りの妖精は無責任にはやし立てます。
勇気:人間代表にされてしまったぞ。
DM:さあさあ、どうするどうする?
勇気:うーん。正直気乗りしないなあ……。
聖羅:そうだなぁ……妖精たちは、ともかく楽しければいいくらいの感じになってるのか。
DM/ケット・シー:「臆したか! それでも剣士かニャ!」
聖羅:「……騎士を説得するには剣を交えるしかないよ」(肩ポン)
勇気:仕方ない、勝負するか……。
聖羅:でも、ちょっと待った。
DM/ケット・シー:「うニャ?」
聖羅:「勝負するのはいいけど、ここが血でぬれるようなことになったら、もっと嫌でしょう? 勝負のルールを決めましょう」……まだプレイヤーが思いつけてないけどね(汗)。
DM/ケット・シー:「うーむむむ……わかったニャ。決闘のルールは受けた側に決める権利があるニャ」
聖羅:ここで耳打ち「(……剣術以外になにか特技ないんですか?)」
DM:ケット・シーは意気揚々とレイピアの剣を振り回している。
勇気:「(パン作りとかしかないしなあ。ケット・シーって力強かったっけ?)」
DM:力はそれほどでもなさそう。サイズ修正−1だし。
聖羅:「(どうするつもり?)」
勇気:「よしわかった、じゃあ腕相撲で決闘だ」
DM/ケット・シー:「望むところニャ!(←単純)」
聖羅:(ガクッ!)……納得してくれてるし(笑)。
勇気:かわいいなあ……(笑)。
 
 微妙にアンフェアな気もしますが、そのへんどうなんですか勇気さん(「誓い/正々堂々としていることを心がける」)。
 
DM:では切り株に腕を乗せて。
DM/ケット・シー:「判定はそちらのレディにお任せするニャ」
聖羅:「わかりました。魔女の誇りにかけて、公平に裁定させていただきます。それでは両者、レディー……」
DM:手を出すぞ。肉球がふにっと。
聖羅:……かわいい(笑)。
DM:通常勝負だとすぐに結果が出てしまうので、即決で3回勝負ぐらいにしておこう。先に2回負けたほうが負け。
勇気:OKですよー。
DM:ケット・シー:「ふっふっふ……では行くニャ!」 まあ、体力9なんだけどね。
聖羅:それでは……「ファイッ!」
勇気:(ころころ…15)失敗。
DM:(ころころ…14)失敗(笑)。レベルの低い戦いだぜ。
勇気:まったくだ……!(笑)
DM:失敗度はこっちのほうがでかいけど……じゃ、今のはチャイ(笑)。
聖羅:なんなんでしょう、この両者の目の悪さ(笑)。
 
 結果は勇気のストレート勝ち。体力13と9の勝負では、当たり前といえば当たり前なのですが(負け惜しみ)。
 
 
 【勝負ニャ!】
 
 
勇気:よし勝ったー(笑)。
DM:ケット・シー:「負けた……ニャ(がっくり)」
DM:おー、と言う声が周りから。
勇気:「いやいや、いい勝負だった」握手を求めてみる……(笑)。
聖羅:「えっと、気を落とさず……」
DM:ケット・シー:「……うむ、次は負けないニャ(握手)」
勇気:ああ肉球の感触(何
聖羅:「それでは、ハーブのほうは分けていただいてよろしいでしょうか……?(腰低く)」
DM/ケット・シー:「(聞いてない)騎士に二言はないニャ。わがはいの領地で、二人仲良く幸せに暮らすがいいニャ!」
勇気:「いや、領地は別にいらないんだけど……」
DM:ケット・シーは「え、ハーブ? 何それ?」って顔をしている。
勇気:「俺らは別にここを侵略しに来たわけではなくてだな、ただハーブを分けてもらいに来ただけなんだが……」(笑)
DM/ケット・シー:「…………あれ?(笑)」
勇気:「剣を振るう相手を見極めるのも騎士の務めだと思うぞ……」(笑)
DM/ケット・シー:「ぬう……しかしほとんどの人間は悪い奴らニャ!」
聖羅:「すみません、わたしたち、ハーブの株を分けてもらいにきたんです……」
DM/ピクシー:「ハーブね。面白かったからいいよ、ついてきてー」
聖羅:はーい。「ありがとう」といってひょこひょこついていきまーす。
勇気:ではいそいそと。
DM:その後ろにぞろぞろと妖精たちが続く。
聖羅:人徳かな(笑)。
DM:「人」徳か?(笑)
聖羅:ちょっと違うか(笑)。
 

 
〜森の奧〜
 
DM:さて、そこは一本の古木の陰。なるほどダンシングリーフが元気よく葉を茂らせている。
聖羅:こりゃいいや。「株分けさせてもらうね」とスコップと植木鉢を取り出します。
DM/ピクシー:「てきとーに取っていっていいよ。いっくらでも生えてくるから」
勇気:なんかさらっと凄いことを言ったな……(笑)。
DM:べつに伸びて襲ってきたりはしないよ(笑)。
勇気:(笑)
DM:さて、聖羅さんには分かる。ここは妖精界との繋がりが特に強い場所のようだ。
聖羅:うーむ、やっぱり特殊なハーブなんだね。生物の先生に見せたらなんていうだろ……とか思いつつ、掘り掘り。
 
 プラズマだよ!(by先生)
 
DM:ピクシーが説明してくれます。要はこの場所、矢束に存在する数少ない《妖精の輪》を守るために、今回の騒動を起こしていたらしい。
聖羅:ははーん。妖精界と繋がってるって言う。
勇気:ただの集落ではなかったのかー。
DM:さて、そんなこんなで作業が終わった頃。「人間たちが来たぞー!」というノッカーの声が聞こえるよ。
DM/妖精たち:「ざわざわ……」
聖羅:げげっ。「……行ってみる?」(目配せ)
勇気:「一応見に行ってみるか」
DM:妖精たちは息巻いているぞ。
DM/ノッカー:「あいつら、今度こそ許しちゃおかねぇ!」
聖羅:……両方止めるのがベストだけど、とりあえずは現場に急行!
DM:ではぞろぞろと妖精たちが付いてくるけど。
聖羅:ああっと! 妖精たちは止めといた方がいいよね。
勇気:とりあえず物陰から様子を伺うくらいの感じかなあ。
聖羅:「ストップ! すこしだけわたしたちに、あの人たちと話をさせて! 上手くいかなかったら、好きなだけ襲いかかってもいいから!」
勇気:大きく出たなぁ(笑)。
DM/ピクシー:「えー、でもー」
DM:「好きなだけ襲う」って何かイイ響きね。
聖羅:「言葉を直接かわしてわかることも、あるかもしれないでしょう?」実は襲われてもいいんじゃないかと思ってる私(笑)。
 
 聖羅さん、ところどころで人間よりむしろ妖精寄りの発言が見られます。
 元のメガテンのシステムには、通常の人間が悪魔と話すことで、その悪魔の属性へと無自覚に引きずられていく「シンクロ」というルールがありました。もともと聖羅さんは「妖精に近い位置にいる(プレイヤー氏談)」という設定だそうですが、そうした立場はこのルールで表現されるわけです。
 ……今から考えると、「真・女神転生TRPG」っていろいろなアイデアが詰め込まれていたんだなあ。
 
 それはさておき、この聖羅さんの行動は後々やっかいな事態を引き起こすことになるのですが……以下続刊。
 
DM/ノッカー:「みんなどうするよ?」
DM/ケット・シー:「ここは信じてみるのもいいかもしれニャい。何と言ってもわがはいと互角に戦った人間ニャ」
聖羅:拳を重ねた相手はやっぱり違う(笑)。
DM:つーことで、しばらく物陰で待ってみるってさ。
聖羅:まぁ、一時的には全面対決回避。交渉に行ってみますか……。
DM:では、ちょっと開けたところに出たと思って。工事用車輌に乗った人間たちが道をのぼってくるところだ。
勇気:ふーむ、どうしたものかな。
DM:工事関係者たちはそこで止まり、気味悪そうにこちらを見ている。
聖羅:怖いもんだなぁ……ゴルフ場建設なんて、ひっくり返せるわけもなし。
DM:……と、一人の男がその間から歩み出てくるよ。
勇気:おや。
DM:頭からローブをすっぽりかぶった、いかにも怪しい男だ。短い杖を持っている。
勇気:うっわー怪しい。
DM:男は工事関係者の代表とおぼしき男と言葉を交わすと、他の者を下がらせる。
聖羅:……逆に助かった、と思わなくもなかったり。だって、資本主義には勝てないもん(笑)。
 
 ここで聖羅さんが、いみじくもDMの思惑を言い表しています。相手にするなら、非日常の存在のほうが何かと後腐れがないわけですから。
 交渉する相手をすり替えることで、話を簡単にしているわけですね。
 
DM:さて、みんなは隠れて見てるのかな? それとも姿を現す? ちなみに工事関係者たちはお互い見えない位置まで下がったと思ってください。そうこうしているうちにも、男はゆっくりと歩み寄ってくる。煤けたワインレッドのローブ、ということにしておこう。小柄な男だ。例えば聖羅と同じぐらいの背丈なんじゃないか。
聖羅:一度は隠れててよう。普通の工事業者であることも考えてたし。
 
 こんな怪しい工事業者はイヤだ。
 
聖羅:まずか観察か。儀式でもはじめようもんなら飛び出そう。
DM:では、男は手にした杖で地面に何か文様を描く。
勇気:今止めるべきだよね多分……(笑)。
聖羅:やっぱりか! 飛び出そう。
DM:では飛び出したとき。男はわずかな呪文と共に、文様の縁をトン、と杖で突く。
聖羅:遅かったとかいわないよね……?
DM:離れているので無理です。つーわけで、光がその文様から溢れ……そこに2体のゴブリンが現れる。
聖羅:まぁ、そうだとは思ってましたさ……やれ、と(ため息)。
勇気:なんか珍しくレトロな召喚士だなあ。
DM:では、そこで男は君たちに気付いて顔を上げる。
聖羅:「襲い掛かってよし! こっち側にひきずりこんじゃえ!」妖精たちに号令するつもりで。ここまできたら、みんな出てきていいでしょう。
DM/男:「…………?(首をかしげる)」
聖羅:(言った後で)……あれ?
勇気:行動早いな……(笑)。
DM:まあ、宣言した以上は妖精たちが襲いかかるわけだ。
聖羅:早すぎたかなーと、ちょっと後悔(汗)。
DM:男は身構え、ゴブリンに命令する……一応距離を決めておこうか。
聖羅:そうですね。どう決めます?
DM:5+3D6メートルぐらいかな。君たちは隠れてたわけだから、開けた場所にいる男までそれぐらいはあるだろう、ということで。
 
 判定の結果、聖羅さんが13メートル、勇気は12メートル離れているということに。
 もしかしたら、このあたりの位置関係(工事関係者たちが見えない位置まで下がっている、とか)がうまく伝わっていなかったことも混乱の原因かも……。
 
勇気:まあ概ね一緒にいたのかな、これは。
DM:さて聖羅さん、聴覚で判定。これは成功した方がいいかも。
聖羅:…0成功……あんまりよくないなぁ。
DM:では聞こえる。男がゴブリンに命令した言葉、古い英語だ。
聖羅:古英語? 同じ場所出身の違う種類の系統だね。
DM:さて、妖精たちは勇気と聖羅の後ろにいるだろうから……(位置関係を確認する)。まずはイニシアティブを振ろうか。第四版ではダイスでイニシアティブを決めないんだけど、ここは1D+基本反応速度で。
 
 結果、ピクシー、ローブの男、ノッカー、聖羅、ゴブリンB、勇気、ゴブリンAの順番になります。まさか妖精たちを引き連れて戦闘をしかけるとは思わなかったので、DMも大変(笑)。
 
DM:とりあえずピクシーが早い。君たちの頭の上を飛び越えて、男+ゴブリン2体に接敵。
聖羅:今日は好戦的だね……大丈夫かな。
勇気:指揮したのはあなただ(笑)。
DM:いや、あなたの命令ですがな(笑)。
 
 一斉のツッコミ。そりゃそうだ。
 
聖羅:そうなんですけどっ! 臆病な子がよく出るなぁとちょっと思って。
DM:それだけ怒ってるんだろう。ま、離れたところからジオって言うけど。で、男は何やら詠唱に入る。ノッカーも接敵。次、聖羅さんね。
聖羅:それでは……丘と草と風のチャント。4秒、がんばって耐えてくれ(苦笑)。
DM:んでゴブリンBが5メートル近づく。次、勇気ね。
聖羅:対象は、勇気と妖精たち除いた全員。工事関係者も含めてね。
DM:えーと、もう一度確認するけど、工事関係者たちは見えない位置まで下がってるからね。
聖羅:そこまで下がってたら範囲外か。じゃあ、魔術師とゴブリンで。
勇気:仕方ないので剣と盾もとい蓋を準備します。
DM:なかなかインパクトのある姿だな(笑)。こっちはゴブリンAが同様に近づいて終わり。
勇気:我ながらかっこ悪いなあ(笑)。
聖羅:ほんと、勇者の初期装備だ(笑)。
勇気:ひのきの棒じゃないだけマシだな……(笑)。
 
 【ゆうしゃはおなべのフタをそうびした】
 
DM:ターン一周して、ではピクシーはジオに集中かな。男はふたたび集中。
聖羅:男の集中が1秒だったりしたら、結構笑えないんだけど……。
DM:ノッカーはゴブリンに攻撃……はまだ届かないか。とりあえず接敵。
聖羅:集中2秒目です。
DM:ゴブリンBとノッカーが交戦状態に入りました。
勇気:では5m接近です。
DM:では勇気にゴブリンAの移動攻撃。…ハズレ。一周回ってピクシー。誰か代わりにやってくれ(疲)。
聖羅:了解、わたしが。ジオって集中1秒でしたっけ?
DM:そうです。ピクシーから男までは4メートル、ゴブリンBは2メートル。ゴブリンAは近いけど、背後にいる。ジオの目標値は13、ダメージは1D+2(+サージ効果)です。
聖羅:うわ、怖い場所にいるなぁ!男にジオをぶちまけましょう。で、その後背後に敵がいる状態から離脱するよう移動。…うん、成功してます。
DM:では「よけ」よう(ころころ…クリティカル)。ジオが転倒した(しません)。
聖羅:それでも集中切れれば万々歳です。能動防御しましたからね。
DM:意思判定をせよというのだね? (ころころ…)またクリティカル(笑)。
聖羅:……ちっ。
DM:いかん、いつものことながら戦闘に入るとダイスが光る。……あー、そうだ。聖羅さん。
聖羅:はい?
DM:これを最初に説明しておかんと。男の口から洩れてくるのは、単調で呻くような調子のチャントだ。
聖羅:……はい? ウォーロックとかいうんだろうか……って、もしやドルイドか? そうだとしたら、実はとんでもないミスをしたのでは(汗)。
DM:(聞こえないふり)さ、男は集中3秒目、と。次はノッカーだ。勇気君、代わりにやりますかね?
勇気:そうですね。接敵してるのなら普通に攻撃なのかな。
 
 中略。ノッカーとゴブリンが殴り合いますが、お互いに大したダメージは与えられません。
 
勇気:ではゴブリンAを攻撃かなあ。殴っていいのだろうか、と思いつつ。
DM:あ、サイズ修正−1ですんで。
勇気:あれ、サイズ修正ってどうなるんでしたっけ。
DM:命中判定の目標値に、差分の±修正が付きます。つまり、ゼロの君から−1のゴブリンへの攻撃だと目標値に−1。
勇気:ふむ、了解です。では「スマッシュ」使って攻撃しますー。
 
 結局攻撃するのね……。
 
聖羅:……ゴブリンって、向こうの民話だといいやつのことが多い、というのをPLはいまさら思い出しました(汗)。
DM:そして、DMもそれを期待していました(笑)。
 
 この攻撃はゴブリンを気絶手前にまで追い込みます。そういや君、「平和愛好」じゃなかったのかね?
 
DM:ぬう、HPが一気に0。
聖羅:……頼む、死亡判定は成功してくれ……。
DM:あ、HP1点残ってたわ。防護点1点付きだから。
勇気:ううむ、可哀想なことをした。やったの俺だけど……(笑)。
DM:しかしその時。「くっ、戻れ!(←英語)」男が叫ぶと、ゴブリンは送還される。ホントは1秒必要だけど、まあ絵的な問題ってことで許してください。
聖羅:いえいえ……にしても、ものすごくミスった気が……。
DM:では男だね。チャントをほぼ最後まで唱え終えようとする。
聖羅:集中4秒目! 同じくチャントは佳境です。
 
 妖精たちは相変わらず決定打を与えられず。勇気は男に走り寄ります。
 
DM:さて、最後は魔法勝負になりそうだ。ではこっちの魔法から。
聖羅:魔法はターン頭発動。
DM:第四版では、ターンの最後に呪文の判定をするように変わってます。細かいところなんで、ご注意を。ではみなさん、覚悟はよろしくて?
聖羅:なるほど、ここで判定か……覚悟完了っ。
DM:つーわけで《沼と茨と暗闇のチャント》。ボエー
勇気:ボエーて……(笑)
DM:(ころころ…0成功)ぐはあー。
 
 戦闘中であることによる+3のボーナスもあり、これにはさすがに全員が抵抗。
 いっぽう葉隠覚悟と化した聖羅さんは、1話と同じく味方も対象に含めての《丘と草と風のチャント》。いきり立っている妖精や「残忍」の特徴を持つ勇気を考慮に入れての行動です。
 
聖羅:それでは……味方含めて抵抗お願いします。(ころころ…8)
DM:聖羅とローブの男の詠唱がぶつかりあう……みたいな感じで。5成功?
聖羅:はい、5成功。ここに、戦闘中なので全員に+3修正です。
DM:えーと、距離の修正がありますからね。メートル数の半分、つまり6メートル離れた勇気は距離で+3、戦闘時で+3、成功度で−5、計+1ってこと。
勇気:ほむ、なるほど。
 
 これには比較的近い位置にいたノッカーだけが失敗。ハピルマ状態に陥ります。
 
聖羅:……リスクが表面化したというような(汗)。どうしようか……戦闘切り上げる方法が見つからない(汗)。
DM:一度戦闘に入ってしまうと、ね。
勇気:(おもむろに)ちょっと確認したいなあ。
 
 あくまでのんびりと声をあげる勇気。どうみても(略)。
 
勇気:聖羅さんはどうしたいですか。
聖羅:嫌な予感がするだけで、PLもPCもほとほと困ってるんです、正直(汗)。
勇気:具体的には戦闘をやめて一度話し合いたい感じですかね。
聖羅:敵か味方か、確信がもてないんですよね。でも、自分が早まっちゃった手前、「やめて」とはいえないし。
勇気:うーん。ぶっちゃけ俺「残忍」だから、やると決めたなら止めない限りやりますよ。
DM:(コエー)
勇気:今はどうすべきか若干迷ってるけどー。
聖羅:ゴブリン後一体倒して、前衛引っぺがしたところで降伏勧告! 残忍はそれこそチャント使ってでも止めてやる。
勇気:ふむー。じゃあラリってるノッカーも心配だし、ゴブリンをとりあえず叩いてみますか。
聖羅:前衛のいない魔女や魔法使いなんて、ケースに入ってない豆腐ですからね。
 
 どこに入っていようが豆腐は豆腐である(=長射程攻撃受けたら死ぬぜー)。
 
 さて、プレイヤーも戦闘を終わらせたいと明言してくれましたし、ここらで膠着した状況に救いの手を。
 この状況はプレイヤーの行動が招いたものではあるかもしれませんが、プレイヤーさえそれを認識しているなら、それほど厳しい姿勢で臨むことはないとの判断です。なにより今回はきっちりしたシナリオもないことですし(意訳:普段は容赦しないよ?)。
 
DM:では男か。よし、では聖羅さんがチャントを唱えたのを見て、
DM/男:「……む。妖精たちを煽動しているのは貴様か、魔女!?」今ならはっきりわかるけど、かなり若い声だ。
聖羅:「先に攻めてきたのはそっちでしょ、魔法使い!?」と買い言葉。
男:「攻めるつもりなどない。仲魔を使って探らせようとしただけだ! 貴様も魔女なら、妖精と術者の友好関係は知っているはず!」戦闘は一時停止状態と考えて。
聖羅:「……はい?」キョトン、として、チャントの続きを唱えるのを忘れてます(笑)。
男:「貴様こそ、我らが友たる妖精を使い、俺を襲わせたではないか!(びしっ)」
勇気:なんだこれ、どうしたらいいんだ(笑)。
DM:僕にもよく分からなくなってきた(笑)。
聖羅:「えっと……だったらなんで建設業者と一緒にいたのよ! 妖精の輪を壊そうとしてたのは明白じゃない!」
DM/男:「俺はここで幽霊騒ぎがあると聞いて、人助けと修行のために祓いに来ただけだ! ってええええー!?」
勇気:「なんだ、そんな話だったのか……」
DM/男:「妖精の輪、だと! 詳しく言ってみろ、魔女」
聖羅:「この先には妖精の輪があるの! だからここには妖精たちがいて、みんなでここを守ってたのよ!」と簡潔に説明かつまくし立てる。
DM/男:「むう。片言の日本語ではうまく通じていなかったのか……? いや! しかし、おまえのほうが信用できるという証拠は何もないぞ! だいたい妖精を使って襲ってきたのはそっちが最初じゃないか!」そろそろキリがなくなってきたぞ(笑)。
聖羅:ですね(笑)。「うっ……当人に聞いてみなさいよ!」……で、振り返って。「ケット・シーさん! あなたなら保証してくれますよね!」
DM:お、よく思い出してくれた。
勇気:そういえば戦闘にも出てませんでしたね(笑)。
DM:では木の上から声が響くぞ。
DM/ケット・シー:「わがはいの領土を荒らす者たちには、このケット・シーが相手になるニャ! ……あれ? 敵は?」今まで樹に登っていたらしい(笑)。
勇気:(頑張ってかっこつけようとしていたんだろうか……)
聖羅:「ケット・シーさん……(ホロリ) って、妖精の輪を守りたくって、わたしたちは戦ってたんですよね?」
DM:ケット・シー「う、うん。そのはずだったよう……ニャ……」
DM/男:「(地の底から響くような声で)…………こんなところで何をしてる、ケット・シー」
聖羅:……え?(汗)
DM/ケット・シー:「あ、ご主人様ニャ」
勇気:「なにいー!」
DM:男はつかつかつか、と歩み寄って樹に蹴りを入れる。ケット・シーはべしゃ、と落ちてくるよ。
聖羅:「……そういえば、3日前に来たばっかって言ってたっけ(汗)」
DM:(それもヒントだったんだけどね)
勇気:「野良じゃなかったのか……」
 
 なんだ野良ケット・シーって(笑)。
 
DM:さ、シーンを変えようか(笑)。
聖羅:はい(笑)。
 

 
 〜森の中〜
 
DM/男:「……というわけだ。ふもとで騒ぎを聞いてな。何とかしてやらないと、と思ったんだ」君たち三人が話していて、そのぐるりを妖精たちが囲んでいる状態ね。
聖羅:「……というわけで、わたしも何とかしなきゃ、と思ったの……」
DM/男:「それで様子を探るため、3日前に仲魔を放ったのだ、が……(ぎろり)」
DM/ケット・シー:「……っは! つい雰囲気に飲まれて仲間たちに協力してしまったニャ!」
聖羅:「そしたら役目を忘れて……と。あなたねぇ……(ちらり)」
DM/ケット・シー:「ニャ……」
DM/男:「どうしてくれようか。三味線か? それとも悪魔合体でスライムか?」ぶらーん、と首を掴んでケット・シーをぶら下げる(笑)。
聖羅:「わわわっ、とりあえずその話はおいときましょう!」慌てて止める。
勇気:「……しかし、それはあのゴブリンには悪いことをしたなあ」
DM/男:「(ため息)……ま、それはお互い様だ。おまえの剣筋、なかなかのものだな」
勇気:「まあ、昔取った杵柄みたいなもんでね」
聖羅:「とにかく、どうしましょう? ここに工事入れるわけにも行かないし……」
DM/男:「連中には俺から話しておく。ここは強力な妖精の住処だ、手出しをしないほうがいい……とな」
聖羅:「あんな魔術師の格好してたら、きっと信じるよね。ついでにあたしと勇気さんも妖精だったってことにしちゃえば(笑)」
DM/男:「それに、妖精たちはこの場所を護り続けていくだろうし、な。どのみち開発は無理だろう……が……」
聖羅:「が?」
DM/男:「そもそもおまえが話をややこしくしたんだぞ!? ……いや、元を辿ればこいつ(猫)だけど……分かってるのか!?」
DM:と聖羅さんに食ってかかります。こうやって怒った姿を見ると、君たちと同じか、より幼いような印象を受ける。
聖羅:「ご、ごめんなさい! それは本当に謝りますからっ!」……そういえば、この人どんな外見です? ローブとってますよね?
DM:いんや、取ってない(←この人も他人のことをどうこう言えない)。
勇気:何だかなあ(笑)。
DM:男あらため少年は、魔女としての自覚がどうのとか、やっぱり日本の魔女は異端だとか、ぶつぶつ言ってます。
聖羅:「でもね、ちゃんと裏もとらずに仕事引き受けた方も悪くないの!? 私がいなかったら、あなた、とんでもないことしてたかも知れないのよ?」
 
 まあ、この人は事態を探ろうとしてただけなんだけどネ……そしたら襲いかかられたわけだけど……(笑)。
 ゴブリンがまずかったのかしら。
 
DM:ローブの下の頬が赤くなる。「あーうー。それは、そのう、結果が良ければ全て良し、だ!(ふんぞり)」
勇気:「……まあ、帰ってこないケット・シーのことも実際心配だったろうしなあ」
聖羅:「ついでに言うと、異端だとかいうなんて、まるで審問官ね?」と畳み掛けてやります。
DM:ほう。それを言うのかね?(わくわく)
聖羅:……はい(歯を食いしばってる)。
DM:では今度は、少年の顔が怒りに赤く染まる。「なん……だと!?」そのまま聖羅さんの胸ぐらを……掴ませる?(笑)
聖羅:やってみやがれ(笑)。
 
 役得(シリアスシーン台無し)。
 
勇気:「おい、ちょっとどうした2人とも落ち着け」引き離しにかかります。
聖羅:真っ赤になって、引き離されます……。
DM/少年:「俺たちはずっと異端審問官どもと戦ってきたんだ! のうのうと生きてきたおまえたちとは違うッ!!」押さえられながら言おう。
聖羅:本場の魔法使いなんだ……。
勇気:(一人のんびりと)何やら色々あったっぽい雰囲気だなあ。
DM/少年:「おまえたちとは……違う」それだけ言って、ぷいと顔を背けてしまいます。
勇気:「……あー、なんだ、異端審問官ってことはローマ相手なのか」
DM/少年:「(ぶっきらぼうに)教会と、連中の言うペイガニズム(異教)とやらの関係を考えたら、当然のことだろ」
勇気:ふうむ、なんだか厄介だなあ。
DM:そうだねえ(←考えてない)。
聖羅:「……あなたがどんな目に会ったかは知らない。でもね……同じ教室で授業受けてた友達が、ある日牙をむいてきたら、どうする?」
DM/少年:「……?」少年の目が、ローブの下から一瞬だけ聖羅さんに向けられます。青い、瞳。
聖羅:「……同じクラスの子にね、ローマの関係者がいたのよ。それだけ言えば分かるでしょ?」とまぁ、ここらで話題を切って、和解しようと言うのですが。
DM/少年:「…………」じゃあ少年もここで聞き返さないでおくよ。
勇気:何気に俺も色々あったしなあ。言う気にはならんが(笑)。
聖羅:「……かっとなって、すみませんでした」謝罪。
DM/少年:「……?(一瞬、何を言われたか分からなかったらしい)なっ……え、ええと」
聖羅:「悪いこと言ったのは、間違いないから、ね」ちょっとうつむき気味に言うよ。
DM/ケット・シー:「ご主人様、いつものことながら素直じゃないニャ。代わってこのケット・シーがお詫びするニャ」
勇気:(なんだ、なかなかいいコンビじゃないか)
聖羅:「……あなたにお詫びされても(ポリポリ)」
DM/少年:「う、うるさい! 行くぞ、ケット・シー!!」
勇気:「あ、待て少年」
DM/少年:「今度はなんだよ!?」
勇気:「とりあえず、せっかくだからお互いに自己紹介しておかないか」
聖羅:「そういえば、名前聞いてなかったもんね」
勇気:「袖触れ合うも多少の縁、とは日本の諺だぞ。俺らの場合、袖どころではないしな」
DM/少年:「……人に名を尋ねるときは、先に名乗れよ(えらそう)」
聖羅:「それじゃあ、こっちから。この矢束の町に住んでます、高梨聖羅です。母方の祖母が、アイルランドからこっちにやってきました」
勇気:「乃原勇気。この町にあるワイルドローズベーカリーっていうパン屋で働いてる。暇があったら食べに来るといいぞ」
DM:ふて腐れたように、少年は言う。「……アーサー。アーサー・S・ワイルド、ドルイド僧見習い。生粋のアイルランド人だ」
聖羅:「……名乗るときは、帽子とかはとるんじゃないの?」
DM/少年→アーサー:「いちいち注文の多いやつだな。これでいいだろう!?」ローブを取ると、ばさっと金色の髪が広がる。見た目14、5歳ぐらいかな。それとさっきの台詞、生粋の、を特に調子を強めて言う。ただ、聖羅さんに向けたものではなさそう。
聖羅:あー、そこがよりどころなんだね、きっと。しかも年下か!
DM:多分、ね。
勇気:ふーむ……。
聖羅:わたしより上位の魔法使ってたしね……(ちょっとうらやましい)と思いつつ、「これからどうするの?」とか聞いてみよう。
DM/アーサー:「俺はもともと、この街に用があって来たんだ。って、なんでおまえにそんなこと話さなきゃいけないんだよ!?(自爆)」
勇気:なんかなかなかいい奴だな……(笑)。
聖羅:「それくらいいいと思うんだけどな……ちなみに、用がある先ってタカナシ、って人じゃないよね……?」
DM:あー、それを言ったらオチが付かなくなるじゃないか(笑)。
 
 いつも分かりやすいオチですみませんね(笑)。
 
聖羅:あ、すみません(笑)それじゃあ、怒ってこたえずに行っちゃって下さい(笑)。
DM/アーサー:「ふん。じゃあな、もう会うこともないさ」立ち上がって、ケット・シーを後ろに去っていくぞ。
DM:で、最後にちょっと振り返って。
DM/アーサー:「今回のことはお互いの修行不足の結果だ。(ぼそぼそと)その……俺も悪かったよ」
聖羅:やっぱりいいヤツなんだ(笑)「じゃあね!」と見送ってあげよう。
勇気:修行不足と思うあたりに彼の性格が出てるなあ。「じゃあまたなー」
DM/ケット・シー:「ダビスターニャ、ですニャ」
DM:少年はもう振り返らない。
 

 
 〜高梨家〜
 
DM:さて。事件とあまり関係ないところで盛り上がってしまったぞ。
聖羅:楽しかったもんだから……(笑)。
DM:ではハーブをゲットして帰るわけですね。予定よりちょっと遅くなって。
勇気:ですねー。
DM:じゃ、あとはエンディングかな。まず聖羅さん家にハーブを届ける、と。
聖羅:はい。ここで改めて増やして出荷、というわけですね。
DM:そうだなあ、勇気。聖羅さん家でのドタバタに参加したい?(笑)
勇気:気にはなるけど、まあ俺は帰ろうかな(笑)。
DM/聖羅ママ:わかった。「(電話)あ、乃原さん? ハーブ届きましたわ。ええ。勇気君にはすっかりお世話になって……はい。ではうちの子をやりますので……はい。それでは(ガチャ)」
聖羅:一気に決めたなぁ、うちのママ。素直に行きますけどね。
DM:聖羅さんはちょっと家を空けなくてはならんだろう(笑)。
聖羅:家を空けますねぇ(笑)。
DM/聖羅ママ:「じゃあ勇気君、もうちょっとだけ聖羅を頼むわね」ということで、二人して乃原家に届けにいくわけだ。道々歩きながら勇気と聖羅さんが話してるところ、かな。
聖羅:そうですね、今日は驚いただの、それ以外にも学校の思い出話とか。
勇気:あの先生まだ定年にならないのかー、とか。
DM:まだまだ現役だよ?
勇気:そうなのか、あんなに老けてるのに(誰)。
 
 現役だよ?
 プラズマで(誰)。
 

 
 〜パン屋「ワイルドローズベーカリー」前〜
 
勇気:「それじゃまた。是非パン買いにきてくれな」
聖羅:「はい! 学食にも、パン屋さんにもいかせてもらいます」
DM/叔父さん:「おーぅ勇気、帰ったか。ご苦労さん(ぽよん)」
勇気:「ただいまー。かくかくしかじかで、十分な量が仕入れられるにはまだちょっとかかりそうみたい」
聖羅:「今日はどうもすみませんでした。かならず十分な量を持っていきますので……」
DM/叔父さん:「おっ、あんたが高梨さんとこの娘さんか! いいっていいって。やー、こんな可愛い娘とピクニックなんて、うらやましいじゃないか勇気」
聖羅:「ははは……(汗タラリ)」ピクニックなんていえる代物じゃなかったけどね(笑)。
勇気:「あー、まあね。しかし山登りはもうあんまりしたくないなあ」体力ないしな……!(笑)
 
 君、それは「もう○○はコリゴリだよ〜!」なオチを催促してるのかね?
 
DM/叔父さん:「しかし、おかげでいい仕込みができそうだよ。(勇気に)疲れてるとこ悪いが、今日はまだまだ忙しくなりそうだな」ぽん、と勇気の肩を叩くよ。
勇気:「おう。まあしょうがないし頑張るー……」
DM/叔父さん:「(聖羅に)じゃ、ご苦労さん。お母さんによろしくなー」
聖羅:「おいしいパン、待ってますから! 母にも伝えておきますね」
DM:じゃ、勇気のエンディングはこのへんで。
 

 
 〜ふたたび、高梨家〜
 
DM:さて、高梨家。玄関先で聖羅ママが出迎えてくれるよ。
聖羅:「あ、ママ。ただいま!」
DM/聖羅ママ:「あら聖羅、おかえりなさい。今日はお疲れ様だったわね」ママはなぜか上機嫌です。
聖羅:「今日は自分の軽率さを実感した日だったよ……」疲れた顔を見せますね。
DM:んじゃーママは君の顔をのぞき込んで。
聖羅:「な、なに?」驚きますけど、それは!
DM/聖羅ママ:「……何かあったのね? うん、でも大丈夫。大丈夫、って顔してる」
聖羅:「…………」
DM/聖羅ママ:「(にっこり笑って)大変だったけど得たものもある、そういう顔だわ。いつも言ってるでしょ? 物事はすべて両面を持つ、それが魔女の教えだって」……(素に返って)ってホントか? 自分で言っててウソだと思うぞ(笑)。
勇気:(笑)
 
 そこでDMがオチをつけるなよ。
 
聖羅:実際、大分誇張入ってると思うよそれは(笑)。大丈夫って顔はあんまりしてないと思うし(笑)。
DM:大丈夫じゃないと聖羅は思ってても、ママはその中に、未だ折れぬ心を確かに見て取ったのです。適当だけど(笑)。
聖羅:まぁ、そういうことにしておこう(笑)。「もっとよく分かる日が来るよね……今日は寝ないと、頭が整理できないかも」
DM/聖羅ママ:「ともかく、早く家に入りなさい。手を洗って、ね。今日はお客様もいるのよ?」
聖羅:「お客様?」初耳っ! 「早く言ってよ、そういうことは」急いで家に入って、身だしなみをざっと整えてっと。
DM/聖羅ママ:「ごめんなさいね。言い忘れてたんだけど、今日からしばらくウチでアイルランドからの留学生の面倒を見ることになったのよーv」あ、別にこの家で暮らすってわけじゃないからね。お母さんがいろいろ教える、ってことで。
聖羅:「アイルランド……?」ここで嫌な予感が駆け巡るんだろうな(笑)。
DM/聖羅ママ:「うふふ、可愛い男の子よ。弟ができたみたいで嬉しいわ〜(おまえの弟か)」お母さんは先にリビングへ引っ込みます。
聖羅:おそるおそる、居間のドアを開けよう……「こんばんは……」とそーっと顔を出して。
DM:そこには割と神妙な顔で、小柄な少年がちょこんと座っている(笑)。
DM/ケット・シー:「遅いニャ」
DM:そしてその隣には、長靴を脱いだ猫。
みんな:(笑)
DM/アーサー:「こんば    って、ええええええええっ!!?」びしっ、と聖羅さんに指を突きつけるぞ。
聖羅:「ははは……ひさしぶり、というには、時間おいてないよね?」と引きつり気味の笑みで返そう(笑)。
DM/アーサー:「お、おおおおまえがなんでここにいるんだよっ!」
聖羅:「わたしはこの家の娘ですっ。そっちこそなによ、留学生って!」
勇気:ううむ、楽しそうだ(笑)。
DM/アーサー:「留学ビザしか取れないんだよ! っていやそうじゃなくて!(ノリツッコミ)」
DM/聖羅ママ:「あらあら、二人とももう知り合いだったの? 聖羅もやるわね〜v」
DM:二人をよそに、聖母のような微笑みを浮かべて言う、聖羅ママ(笑)。
聖羅:もう笑うしか……「ともかく……しばらくの間、よろしくね」ああ、ママの笑顔が恨めしい……絶対全部知ってるんだ、この人は(笑)。
DM/アーサー:「ふ……ふん。世話になるトコの娘だからな。いちおうよろしくしておいてやる(ぷい)」
聖羅:「あんたね……(青筋)」本当に心配なのは、ケットシーなんだけどね(笑)。
DM/アーサー:「っていうかケット・シー! おまえ全部知ってたな!?」
DM/ケット・シー:「猫はなんでも知っている、ニャ」
DM:と、ケット・シーが聖羅さんに向けてニヤッと笑って見せたところでラスト、かな。何か言う?
聖羅:「……運命の女神様は、わたしに胃炎になれとでもおっしゃっているのですか……?」と、だれともなくつぶやいておしまい(笑)。
DM:では、そうしたドタバタのうちに今回は幕だね。お疲れ様でした。
勇気:お疲れ様でしたー(笑)。
聖羅:おつかれさまでした〜!
 
 
 【受難は続く……(DMのせいじゃないよ)】


 

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