達人と技


 

 ここでは、戦闘の技術に長けた達人とその技――『真・女神転生TRPG』では「格闘技」「エキスパート」と呼ばれていた分野――に関するルールについて解説します。

 前半では「達人系」の特徴、すなわち「銃の達人」「達人の指導」「武器の達人」の扱いについて解説します。後半では、それら一握りの達人のみが行使できる技――「追加効果」のルールを扱っています。

 

 

◇「達人」の扱い


 

 本来のルールとは異なり、「ガープス女神転生」では「〜の達人」はレベルの存在する特徴です。ルールブックにある特徴はそれぞれ3レベルに相当すると考えてください。必要CPは「本来のCP×修得しようとするレベル/3」で計算します。

 それぞれのレベルにおいて得られる効果を、以下に示します。

 

 

「銃の達人」 25CP

(ルールブックの効果)

 片手持ちで単発式の武器の射撃について、常に正確さのボーナスが得られる。 

 両手持ちの武器、またはオートマチックの場合、正確さの半分のボーナスを得られる。

 

1レベル:単発片手持ち、単発両手持ち、オートマチックいずれかの武器について、上記の半分のボーナスを得ることができます。

 

2レベル:いずれかの武器について、上記のボーナスを得られます。あるいは、すべての武器について上記の半分のボーナスを得ることができます。

 

3レベル:ルールブックと同じです。

 

4レベル時、以下からひとつを選択してください。

 

 ・いずれかの武器について、通常の2倍(4秒)まで余分に狙いを付けることが可能になります。重ねて選択することで3倍(6秒)、4倍(8秒)まで狙いを付けることができるようになります。

 

 ・対象まで1mの距離にいる場合、<銃器>技能をフェイント、フェイントへの対抗、受け(片手用銃器は受け修正−1、両手用銃器は受けに使用すると非準備状態になる)に用いることができます。また、本来なら白兵武器にしか適用できない追加効果を選択することができます。

 

 ・いずれかの武器について、そのカテゴリに属するあらゆる武器への「慣れ」を得ます。

 

 ・いずれかの武器について、「連射」の値が1増加します。重ねて選択することで、この値はさらに+2、+3されていきます。

 

 ・いずれかの単発式武器について、攻撃範囲内にいる複数の目標へ攻撃を振り分けることができるようになります。

 

 ・両手に武器を装備していた場合、それぞれの武器で別々の目標に対して攻撃する/狙いを付けることができるようになります。

 

 ・その他、プレイヤーの提案によってさまざまな効果を得ることができます。

 

5レベル:4レベルの効果のうち、さらに2つを選択できます。

 

6レベル:5レベルと同じです。

 

7レベル:6レベルと同じです。

 

 

「達人の指導」 30CP

(ルールブックの効果)

 連続攻撃のペナルティ半減。

 複数回受け可能。

 

1レベル:連続攻撃のペナルティが1点減少します。

 

2レベル:連続攻撃のペナルティが2点減少し、複数回「受け」を試みる際のペナルティが1点減少します。

 

3レベル:ルールブックと同じです。

 

4レベル:空手、ボクシング、格闘技能を敏捷力+3以上のレベルで修得している場合、空手およびボクシングなら+3、格闘なら+2だけ、1Dごとのダメージが増加します。柔道、相撲、レスリングの場合、体力や敏捷力判定へのボーナスが+1されます。

 また、−6の修正をそれぞれの攻撃に受けることで、計3回の連続攻撃を行うことができるようになります。

 

5レベル:上記技能を能力値+4で修得している場合、ダメージおよびボーナスにさらに+1されます。

 連続攻撃によるそれぞれの命中判定へのペナルティが、2回なら−2、3回なら−4になります。

 

6レベル:技能を能力値+5で修得の場合、ダメージおよびボーナスがさらに+1されます。

 5レベル時点に加え、それぞれに−6のペナルティを受けることで4回の連続攻撃が可能となります。

 

7レベル:技能を能力値+6で修得している場合、ダメージおよびボーナスがさらに+1されます。

 攻撃回数は増えませんが、有利な追加効果を、(7レベルのコスト上限である28点に加えて)不利なものより4点ぶん多く取得することができるようになります。

 

 

 

「武器の達人」 20CP(いずれか一種)〜45CP(あらゆる白兵武器)

(ルールブックの効果)

 敏捷+1で修得している武器を扱う場合、ダメージがダイスごとに+1。+2で修得しているなら、ダイスごとに+2。

 連続攻撃のペナルティ半減。

 複数回受け可能。

 慣れていない武器を扱う際のペナルティ軽減。

 

1レベル:連続攻撃のペナルティが1点減少します。また、武器技能を敏捷力+1以上のレベルで修得している場合、その武器のダメージに(ダイスの数にかかわらず)+1されます。

 

2レベル:連続攻撃のペナルティが2点減少し、複数回「受け」を試みる際のペナルティが1点減少。また、武器技能を敏捷力+2以上のレベルで修得している場合、その武器のダメージに(ダイスの数にかかわらず)+2されます。

 

3レベル:ルールブックと同じ。

 

4レベル:武器技能を敏捷力+3以上のレベルで修得している場合、3レベル時点に比べダメージに+2(固定値)されます。

 また、−6の修正をそれぞれの攻撃に受けることで、3回の連続攻撃を行うことができます。また、通常の2倍のペナルティを受けることでさらに1回の受けが可能です。

 

5レベル:技能を能力値+4で修得の場合、ダメージがさらに+2(固定値)されます。

 また、連続攻撃のペナルティが、2回なら−2、3回なら−4になります。

 

6レベル:技能を能力値+5で修得の場合、ダメージさらに+2(固定値)されます。

 また、5レベル時点に加え、それぞれに−6のペナルティを受けることで4回の連続攻撃が可能です。

 

7レベル:技能を能力値+7で修得の場合、ダメージさらに+2(固定値)されます。

 攻撃回数は増えませんが、有利な追加効果を、(7レベルのコスト上限である28点に加えて)不利なものより4点ぶん多く取得することができるようになります。

 

 

◇追加効果


 

 「追加効果」とは、さまざまな格闘技の流派や戦闘の技術体系に含まれる「技」を表現したもので、戦闘時にある特定の行動を行ったときにのみ、その行動に追加して得られる効果を、特徴の一種として設定したものを指します。限定的な状況においてのみ使用できる「攻撃方法」「特殊攻撃」のように考えると分かりやすいでしょう。

 追加効果は白兵攻撃、素手での攻撃、長射程攻撃、それらを用いたテクニック、能動防御などの戦闘行動について個別に設定します。武器に複数の攻撃タイプが設定されている場合、いずれかひとつを選んで設定してください。

 同じ武器を扱っている場合でも、技能が変われば基本的に別の戦闘行動であるとみなします。ただし、ひとつの武器を複数の技能で使うのが普通のもの(刀など)や、それぞれの技能の間に密接な関係があるもの(フェンシング武器)などについては 複数の技能にまたがって追加効果を設定してかまいません。詳細はGMが決定してください。

 追加効果は各「達人系」特徴についてあるレベルごとに修得し、そのレベルによって効果の大きさが異なります。一人のキャラクターが修得する追加効果の数に制限はありません。

 

 

追加効果の必要CPを設定する

 

 まず、その追加効果の攻撃範囲・射程によって基本CPを決定します。これは、かならずしも使用する武器や行動の射程と等しくしなくてはならないわけではありません。「武器の攻撃範囲内だが、追加効果の範囲外」といった場合もあるでしょう。もちろん、本来の攻撃範囲を超えて追加効果を発揮することはできません。

 ただし能動防御について追加効果を設定する場合は、その武器や盾(1)、素手(C)の攻撃範囲とかならず等しくしてください。

 ここに、その追加効果を修得しようとする「達人系」の特徴のレベルを足したものが追加効果の必要CPとなります。

 

Cのみ:2

1か2のみ:3

C〜1、1〜2、2〜3、4のいずれか:4

1〜4(鞭状):5

投擲物、弓、クロスボウ、ハンドガン:6

 

単発式のショットガン、ライフル:7

あらゆるフルオート火器、ロケット銃など:8

(ライフルやショットガン、フルオート火器についてはGMの許可がない限り修得できません)

 

例:中国武術を学ぶ青年リュウが、槍を使った追加効果を修得しようとしています。槍には穂先で刺したり石突きで突いたり<杖>で振るったりとさまざまな攻撃方法がありますが、ここはオーソドックスに槍での「突き/刺し」について追加効果を設定することにします。

 彼の身に付けている「武器の達人」は3レベルですが、そこまで強力な技でなくとも構わないということで、今回修得する追加効果は2レベル相当とすることにします。また、槍を両手持ちにしたときの攻撃範囲は1〜2ですが、追加効果の範囲は2のみとすることにしました(後から攻撃範囲1の追加効果を修得して、その二つを使い分けるつもりなのです。CPの節約にもなりますし)。

 この攻撃範囲の必要CPは3点。ここに、身に付けようとする追加効果のレベルである2を足して、この追加効果の必要CPは最終的に5点になります。

 

 

増強/限定の選択

 

 追加効果の必要CPを決定したら、以下のリストから増強と限定(便宜上、有利に働く追加効果を「増強」、不利に働くものを「限定」と呼んでいます)を選択します。

 このとき、ひとつの追加効果に課した増強と限定のコスト(それぞれの増強および限定の後にカッコ書きで設定された+および−の値)の絶対値は必ず等しくなければなりません。また、選択できる増強および限定の絶対値は、最大でその追加効果を修得しようとする「修得段階」レベル×4までとなります。

 コストの後ろに「/L」と記されたものはレベルの設定されている増強・限定で、修得しようとするレベルを係数としたコストを支払わなければなりません。またこれらの増強・限定は、最大で「修得段階」を2倍したレベルまで取得可能です。

 こうして適用された増強・限定は、どんな状況においても解除することはできません。

 

例:リュウの修得しようとしている追加効果は「武器の達人」2レベル相当なので、2×4=±8までのコストに収まるように増強・限定を選べばよいことになります。

 リュウはここで「フェイント効果(+4)」「目標値増強+1(+3)」「ダメージ増加+1(+1)」の増強を選びました。合計で+8です。【後ろ回し蹴り】のようなテクニックのない武器攻撃でフェイント効果が得られるのは強力ですし、そのために目標値は高いほうがいいと考えたのです。「刺し」ダメージを与える槍において、基本ダメージが上がるのも魅力的です。

 限定としては「両手使用時のみ(−1)」「疲労消費2(−3)」「隙ができる3レベル/よけ以外(−3)」「武器種限定/槍(−1)」を選択しました。合計で−8。これで増強と差し引きゼロになります。

 

 

追加効果の描写

 

 さて、できあがった追加効果は実際にはどのような動きなのでしょうか? 現実に存在する格闘技の技を持ってきてもいいですし、マンガやゲームを参考にするのもいいでしょう。プレイヤーはキャンペーンの世界観をよく把握した上で、追加効果の具体的なイメージを補足してください。

 

例:リュウは出来上がった追加効果に「通袖穿(つうしゅうせん)」という名前を付けました。大きく引いた槍を、前手の下からまっすぐ突き出す技です。

 ここで追加効果の全体を見直してみましょう。間合いを盗んで勢いよく刺突する技ですから「フェイント効果」「ダメージ増加」は妥当ですし、リュウにとって特に得意な技であるということにすれば「目標値増強」にも説明がつくでしょう。ふさわしい長さの槍を使い、前手を添えて後手で突く技ですから「武器種限定/槍」「両手使用時のみ」にも納得が行きますし、槍を引いてしまうことで一瞬前方への防御がおろそかになると考えれば「隙ができる」も問題ないはずです。

 リュウはそうしたことをGMに説明し、「武器の達人」2レベル相当の追加効果「通袖穿」を身に付ける許可をもらいました。

 

 

*選択ルール:同系統の追加効果を修得する

 キャラクターがすでに身に付けている追加効果に、さらに増強・限定を加え、「もとの追加効果に似ているが、より高度な技である」ことを表現したい場合もあるでしょう(特に、修得段階を伸ばした時には)。こうした場合に限り、以下のルールを使用することができます。

 

 「同系統」の追加効果のうち、もっとも必要CPの高いものにまずルール通りのCPを払います。そして、それ以外の追加効果は本来の半分のCPですみます。

 新たにより高度な追加効果を修得する場合、それまで身に付けていた追加効果のうち、もっとも高価だったもののCPを半分にし、そのぶんのCPを新たな追加効果に充当することができます。

 どの追加効果が「同系統」であるか、最終的にはGMが判断してください。通常は、増強および限定を合わせて2種類まで追加したものが認められます(すでに取得している増強・限定のレベルを変えるのはかまいません)。どの程度までを「同系統」として認めるかによって、PCに身に付けさせたい追加効果の数を制御することもできるでしょう。

 

 

増強

 

痛み(+3)

 ダメージを与えるためのあらゆる行動に適用できます。「衝撃」によるペナルティが2倍になります。「痛みに強い」を持つキャラクターも、ダメージの半分のペナルティを受けます。また、この攻撃による「衝撃」の最大値は−6になります。

 

おとり攻撃(+3+1/L)

 相手が能動防御を行うことができる、あらゆる戦闘行動に適用できます。

 重心の移動や思い切った踏み込みをともなわない、見せかけの(あるいはごく軽い)攻撃を放ちます。これにより、この攻撃に対する【カウンター】や【リポスト】といった「能動防御に成功することで効果を発揮するテクニック・追加効果」を無効にすることができます。無効化されるのはあくまで上記の効果のみです。たとえばある攻撃手段に【カウンター】と【ダメージ増加】の増強が施されていた場合、【ダメージ増加】の効果は通常どおり適用されます。

 ある攻撃が【おとり攻撃】であると相手に告げる必要はありません。互いに知力を基準とした戦闘技能で即決勝負を行い、攻撃側に勝つことができれば、防御側はそれが【おとり攻撃】であることに気付きます。このとき、攻撃側にはこの追加効果のレベルぶんのボーナスがあります。

 

カウンター(+4+1/L)

 直接ダメージを与えるような白兵攻撃に適用します。

 いずれかの能動防御(この追加効果の修得時に決めておきます)に成功した直後の攻撃に限り、この増強を施された攻撃を行った者への白兵攻撃のダメージが「防御判定の成功度/2+追加効果のレベル(最低1)」点増加します。

 この増強を素手での戦闘および「突き」の白兵攻撃に適用する場合、最終的なコストから−2されます。その攻撃をカウンターとしてしか使用できないことにするなら、コストは−2されます。これによってコストが±0になってもかまいません(この追加効果のダメージを伸ばしたい場合、この増強のレベルを伸ばすより【ダメージ増加】の増強を取るのが「かしこい」やり方です。【ダメージ増加】の増強を制限いっぱいで取得し、なおダメージを伸ばそうとする場合のみ、この増強のレベルを上げるといいでしょう)。

 

技能併用ボーナス(+3/L)

 その行動に、ある特定の技能を組み合わせて使用する場合に限り、その技能判定にレベルぶんのボーナスを得ることができます。かならずその技能と併用しなければならないのなら、コストは+2/Lになります。 その技能との組み合わせに意味のある、あらゆる行動について適用できます。

 

曲射(+2/+6)

 長射程攻撃にのみ適用でき、放物線を描く矢や跳弾などを再現するのに用います。コスト+2の場合、最大で目標までの距離の10分の1程度までの距離を、本来の射線から「ずらして」射撃することが可能です。+6の場合、相手の頭上などを覆わない遮蔽物や、相手の姿勢による効果をすべて無視することができます。

 

「後退」無効化(+5)

 白兵攻撃、および素手での戦闘行動に適用します。この増強を施した攻撃に対して、「後退」によるボーナスはすべて失われます。フェンシングや空手、柔道の使い手に対しては特に有効に働くでしょう。

 相手が「後退」を宣言するまで、攻撃者はこの追加効果の存在を伏せておいて構いません。

 

後の先(+1/L

 あらゆる行動に適用できます。「反射行動(待機状態で行う、反射的な行動。『ベーシック』p.346)」の際、先攻後攻を決めるための即決勝負(明確なルールは示されていませんが、ここでは第3版に従っています)にレベルぶんのボーナスがあります。

 

誘い込み(+4+3/L)

 いずれかの能動防御に適用します。

 この増強を施された能動防御に成功した直後に限り、その攻撃を行った者への白兵攻撃が命中しやすくなります。反撃を受けた者は、防御判定に「防御判定の成功度/2+特殊効果のレベル(最低1)」のペナルティを受けます。

 

射程延長(+1/L)

 長射程攻撃にこの限定を適用することで、射程距離がレベルごとに1割(最低1メートル)ずつ延長されます。

 

重撃(+5/L

 あらゆる行動に適用できます。攻撃の「重さ(『ベーシック』p.355、重い武器を受ける)」を、この追加効果1レベル、2レベル……ごとに2倍、3倍……として計算することができます。

 

正確(+2/L

 長射程攻撃に適用することで、「正確さ」の値がレベルぶん増加します。「銃の達人」であっても、「狙い」の行動を取らなければこのボーナスを得ることはできません。

 

全周防御(+4/+6)

 「受け」または「止め」に適用し、側面や背面からの攻撃を防御する際のペナルティを軽減します。+4では、側面からの攻撃に対してペナルティがなくなり、通常は防御が不可能な背面からの攻撃を−4の修正を受けて防御できるようになります。+6では、頭上を含むあらゆる方向からの攻撃に対し、ペナルティを受けずに防御判定を行うことが可能になります。

 

先の先(+4+3/L

 戦闘行動に適用できます。この増強を施した追加効果を選択した場合のみ、イニシアティブの値が一時的に増加します。増加するイニシアティブはこの増強を1レベル(コスト4点)で修得した時点で1D−3(最低1)となり、以後+1レベル(コスト3点)ごとに+1されていきます。

 

 *なお、移動力+1Dでイニシアティブを決定するハウスルールを使っている場合、この増強のコストは(+3/+2L)となります。【制作者】

 

ダメージ増加(+1/L

 ダメージを与えるためのあらゆる行動に適用できます。レベルぶんだけダメージが増加します。

 

追加攻撃(さまざま)

 ある行動が、あらかじめ指定した特定の結果(成功した、失敗した、防御された……)に終わったとき、ただちにこの増強を施した行動を1回だけ使用することができます。この行動には攻撃回数を消費しません。

 この行動は最初の行動と一続きとして扱われます。この間に姿勢を変更したり武器を準備することはできず、移動攻撃や「大振り」によるペナルティもそのまま適用します。

  この増強のコストは、最初の行動がどのような形で失敗に終わったかによって決定されます。

 

 ・最初の行動が成功した後に続けて使用できるなら、コストは+5です。

 ・最初の行動が失敗した後に続けて使用できるなら、コストは+4です。この追加効果を使用するために、最初の行動をわざと失敗してもかまいません。

 ・受け、止め、よけのいずれか(修得時に指定)によって防御された後に使用できるなら+3です。あらかじめ限定した一種の武器や素手によって「受け」られた後にのみ使用できるなら、コストは+2になります。

 ・上記のうち2種を組み合わせた場合、コストはその合計から1を引いた値になります。3種類以上を組み合わせても、それ以上コストが下がることはありません。

 この増強は白兵攻撃、または素手での戦闘行動に適用します。GMが認めれば、その他の行動にも適用できるでしょう。

 

 この追加効果の起点となる行動も、追加効果と同じ要領であらかじめ指定してください。「パンチが素手によって受けられた後のみ(コスト+2)」「組みつきが失敗、またはよけられた後のみ(「失敗した後」で+4、「よけられた後」で+3、組み合わせによって−1で、計+6)」といった具合です。

 

突き飛ばし2倍(+3)

 ダメージを与えるためのあらゆる行動に適用できます。「突き飛ばし」に必要なダメージが半分になります。

 

徹甲除数(さまざま)

 ダメージを与えるためのあらゆる行動に適用できます。そのテクニックによる攻撃に徹甲除数が適用されます。徹甲除数2の場合コストは+5、3の場合は+9、4の場合は+12、5の場合は+14となります。

 プレイヤーはこの効果を、さまざまな武術が秘伝として伝える、神秘的な「浸透する打撃」であることにしてもかまいません。この場合、この追加効果は生物にしか通用しなくなりますが、相手の防護点に適用された「硬化」の増強を無視することができます。

 この増強を素手の叩き攻撃のみに限定する場合、コストは半分になります(端数切り上げ)。

 

鈍器外傷2倍(+3)

 ダメージを与えるためのあらゆる行動に適用できます。鈍器外傷を与えるのに必要なダメージが半分になります。『ベーシック』にある同名の増強とは異なり、叩きダメージにも適用できます。

 

入身(+3+1/L)

 空手または柔道技能による受け、またはよけに適用します。

 この増強を施された能動防御に成功した直後に限り、その攻撃を行った者への白兵攻撃のダメージが「防御判定の成功度/2+追加効果のレベル(最低1)」点、増加します。

 

背面攻撃(+2/+4)

 【後ろ蹴り】のように、背面への攻撃が可能になります(このテクニックと同じように、相手が見えているかどうかは重要です)。または、「受け」や「止め」に適用することで、背面からの攻撃に対するそれらの防御行動が可能になります。+4の増強なら、通常の攻撃としても背面への攻撃としても使用可能です。

 

バックスタッブ(+7)

 相手の前面にいながらにして、その背面への攻撃が可能になります。白兵攻撃、または素手での直接攻撃に適用してください。ふさわしい理由があるならば長射程攻撃にも適用できるでしょう。 相手はこの回り込む攻撃に気付いているため、能動防御へのペナルティなどを考える際は側面からの攻撃として扱います。

 この増強を施した攻撃の攻撃距離は、かならず本来のものより1小さくなります。これによって武器の攻撃距離の下限を割り込むような場合、もちろん攻撃は不可能です。 もとから攻撃距離Cのものは、それ以上小さくなることはありません。追加効果のCPは、この増強による修正を加える前の攻撃距離から計算してください。

 

突き飛ばし抵抗(+1/L)

 「止め」に適用することで、「突き飛ばし(『ベーシック』p.357)」に必要なダメージを計算する際、防御者の体力をレベル分だけ高いものとして扱うことができます。

 

フェイント効果(+4)

 あらゆる行動に適用できます。【後ろ回し蹴り】【裏拳】のように、攻撃の直前にテクニック・レベルによるフェイントが可能になります。フェイントが成功(失敗)したときの効果もそうしたテクニックと同じです。

 

複数対象(+3/L

 素手での戦闘および白兵攻撃、能動防御、長射程攻撃にのみ適用できます。攻撃の届く範囲内に複数の対象がいる場合、1レベルにつき余分に1体の敵に対し、不利な修正を受けることなく攻撃が可能になります。

 当然、2回以上の攻撃が可能な状態でなければこの増強には意味がありません。1体の対象に対して割り振る攻撃回数は自由です。

 

負傷しない(+2)

 武器を持たずに固い目標を攻撃したときに、負傷するするかどうかの判定(『ベーシック』p.358)を行う必要がなくなります。

 <強打>を多用するキャラクターにとっては非常に有用です。

 

踏み込み(+4)

 ステップを組み合わせることが可能な、あらゆる行動に適用できます。この追加効果を組み合わせた行動の前、あるいは後に行う(かならずどちらかに決めておいてください)ステップの距離を1ヘクス増やします。ただし、これによって増えたステップの方向は、つねに本来のステップと同じものになります。

 

防御しにくい(さまざま)

 あらゆる行動に適用できます。相手の能動防御に、レベルと同じだけのペナルティを与えます。「よけ」のみ、あるいは「よけ」以外(「受け」と「止め」)のみにペナルティがあるなら+2/Lです。すべての能動防御にペナルティがあるなら、コストは+3/Lになります。

 長射程攻撃にこの増強を適用する場合、コストは2倍になります。

 

朦朧化攻撃(+2/L

 素手での戦闘行動および白兵攻撃のみに適用できます。この増強を施された攻撃を受けたとき、朦朧や気絶、転倒をさけるための生命力判定に、レベルと同じペナルティがあります。

 あるいは、【腕関節技】や【チョークホールド】のように、「ダメージを受けないための体力・生命力判定」にペナルティがあることにしてもかまいません。

 命中部位とその効果は、第3版当時とかなり異なっていることに注意してください。

 

目標値増強(+3/L

 あらゆる行動に適用できます。そのテクニックを用いた判定に、レベルぶんのボーナスが得られます。「強化防御」のように、他に類似の手段があるものには適用できません。

 

リポスト効果(+2または+5)

 白兵攻撃に適用することで、その攻撃方法を【リポスト】として機能させます。つまり、必ず「受け」の後に使用しなければならなくなる代わりに、その成功度+1のペナルティを、この増強をほどこした攻撃に対する相手の能動防御に課すことができるのです。

  素手での戦闘および「突き」の白兵攻撃に適用する場合、コストは+2です。それ以外の白兵攻撃やGMの認めた戦闘的な行動(「組みつく」「武器をつかむ」など)について適用するなら、コストは+5です。いずれの場合もコストをさらに+2することで、リポストとしても、また能動的な攻撃としても使用することができるようになります。

 

連撃(+5/L

 白兵攻撃、素手での戦闘のみに適用できます。この増強1レベルにつき、1ターンに1回の攻撃回数を「買う」ことができます。連続した行動はすべて同じ攻撃方法となります。複数の対象に攻撃をしかけることはできません。

 

速射(+3/L

 長射程攻撃にのみ適用できます。武器の連射(RoF)が本来の値よりレベルぶん増加します。じゅうぶんな数の矢や手投げ武器が準備されているなら、本来連射が1の武器でも複数回攻撃が可能になります。

 

 

限定

 限定はわずかな例外を除き、あらゆる行動に適用可能です。各限定の解説を参照してください。

 

受け/止め回数減少(−1/L−2)

 あらゆる戦闘行動、および「受け」または「止め」に適用します。この追加効果を使用すると、その武器や盾、素手を用いた「受け」や「止め」の回数がレベル回減少します。

 このとき減っていく能動防御は、よりペナルティの小さなものからとなります。たとえば「達人の指導3レベル(ルールブックにある同名の特徴と同じ)」を持つ空手家の場合、1回目と2回目の「受け」にはペナルティ無し、3回目には−2、4回目には−4、4回目には−6……のペナルティを受けた「受け」が可能です。このキャラクターが【受け回数減少3】を取得した場合、実際に行える「受け」は4回目にあたる−4以降となるのです。

   能動防御にこの限定を適用した場合、その防御そのものはもっともよい数値で判定が可能です。次にペナルティの少ない能動防御から減らしていってください。

 この限定のレベルは、「そのターンに行える最初の受け/止めへのペナルティが4以内まで」に収まる範囲で取ることができます。上記の空手家の例の場合、4レベルの時点で−4のペナルティを受けることになりますから、このレベルが最高ということになります。ただしこの限定を高レベルで取るぐらいなら、たいていの場合は【全力攻撃】を選択した方が効率が良くなります。もちろん、このふたつの限定を同時に取得することはできません。

 この限定のコストは、限定のレベルに−2を加えたものとなります。

 

移動攻撃(−4)

 その追加効果は移動攻撃としてしか使用することができません。「達人」ならさほどの支障はないでしょう。

 

大振り(−4)

 その追加効果は大振りとしてしか使用することができません。

 

片腕・片脚のみ(−1)

 一方の手・または足でしかその追加効果を使用できません。本来ならペナルティなくどちらの手・足でも攻撃が可能な場合にのみ適用できます。普通は素手での攻撃にのみ適用します。

 

姿勢変更(さまざま)

 その追加効果を使用すると、その成否にかかわらず、必ず姿勢が変更されます。

 かならず転倒するならコストは−5です。

 転倒状態から膝立ち(座っている)になるならコストは−4です。

 立っている状態から膝立ち(座っている)になるならコストは−2です。その逆なら−1です。

 転倒している状態から立ち上がりつつ使用しなくてはならない(1ターンの準備の後、<軽業>判定が必要です)なら、コストは−8です。

 どの場合も、関連の行動の判定には、姿勢変更の前か後の、どちらかよいほうの修正を用いることができます。

 

射程短縮(さまざま)

 長射程攻撃にこの限定を適用することで、その追加効果を得られる射程距離が減少します。射程が半分になるなら−1、10分の1になるなら−3、50分の1なら−5、200分の1なら−8、500分の1で−10です。これによってダメージ半減距離が1を下回ったら、半減距離、最大射程ともCと見なします。それ以上射程を減らすことはできません。

 追加効果の範囲を外れた投射物は有利な追加効果をすべて失います。不利なものに関してはそのまま適用します。

 

集中が必要(−5)

 下の「準備時間増加」と似ていますが、こちらは<強打>や<砕打>のように、何ターンか「集中」しなければ判定にペナルティが課せられるというものです。このふたつを同時に取得することはできません。プレイヤーは、どちらかイメージに合うものを選択してください。

 

準備状況変更(−3)

 その追加効果を使用すると、武器の準備状況が変更されます。

 すなわち、使用した武器が非準備状態になるか、かならず準備しながら(準備を終えたターンに)行わなくてはならないかのいずれかです。あらかじめどちらかに決めておいてください。

 

準備時間増加(−1/L−1)

 その追加効果を使用するために、1レベルごとに1秒の「集中」が必要になります。最終的なコストはレベル×−1に−1を足した値です。

 

隙ができる(さまざま)

 その追加効果を使用したターン、自分の能動防御にレベルぶんのペナルティを受けます。「よけ」のみ、あるいは「よけ」以外(「受け」と「止め」)のみにペナルティがあるなら−1/Lです(ただし後者は、白兵攻撃や素手戦闘への限定としてのみ選択することができます。長射程攻撃攻撃にこの限定を適用する場合、かならず「よけ」のみへのペナルティとして扱われます)。すべての能動防御にペナルティが課せられるなら、コストは−2/Lです。

 この限定によって、能動防御の値を本来の半分以下にすることはできません。

 

ステップ前のみ/ステップ後のみ/ステップできない(−1)

 リアル世界の「技」にもよく見られる追加効果です。その追加効果を使用する前か後に、かならずステップ(踏み出して攻撃)しなくてはなりません。または、攻撃の前後にステップすることができません。どちらかに決めておいてください。

 

捨て身(−1/レベル)

 白兵攻撃や素手での戦闘行動に適用します。この追加効果を使用したターンの間、白兵攻撃によって受けるダメージがレベルと同じ値だけ上昇してしまいます。すばやい前進をともなう技などに見られる限定でしょう。

 

全力攻撃(さまざま)

 その追加効果はかならず全力攻撃として扱われます。同時に他の全力攻撃による効果を得ることはできません(ただし、移動力の半分まで動けることを忘れないでください!)。この限定のコストは−(修得しようとする追加効果のレベル+6)となります。「隙ができる」や移動に関する限定と組み合わせることはできません。

 

全力防御(さまざま)

 いずれかの能動防御に適用することで、かならず全力防御として扱われるようになります。 移動力の半分まで動けることにする場合、コストは−(修得しようとする追加効果のレベル+2)となります。ステップのみ可能である場合、コストは−(修得しようとする追加効果のレベル+4)です。

 

ダメージ減少(−1/L

 1レベルにつき1点、その攻撃本来の値よりもダメージが減少します。

 

弾丸消費(−1/レベル)

 長射程攻撃にのみ適用します。その追加効果を得るための攻撃1回につき、レベルと同じ数の弾丸や矢などを余分に消費してしまいます。この限定によって、1ターンに消費する弾丸などの数が「連射」の値を超えることはできません。

 

敵の姿勢に関する限定(さまざま)

 その追加効果を使用するためには、相手が特定の姿勢を取っていなければなりません。相手が人間型以外の場合、そのテクニックを使用可能かどうかGMが判断してください。

・より姿勢が低い、あるいは低い位置にいる敵に対してのみ使用できるなら、コストは−3です。

・転倒している敵に対してのみならコストは−5です。

・立っている敵に対してのみならコストは−1です。人間より体高の低い相手に対して使用することはできません。

・空中にいる敵に対してのみなら、コストは−7です。飛んでいる敵の他、【飛び蹴り】や「飛びつき」などの攻撃をしかけてきた相手に対する反射行動としても使用できるでしょう。空中にいる場合も含め、相手がより高い位置にいなければ使用できないなら、コストは−5です。

 

転倒しやすい(−1/L)

 攻撃に失敗したり、相手が防御に成功すると転倒する可能性があります。あるいはより転倒しやすくなります。特に指定がない場合、敏捷力か、この追加効果を課した技能・テクニックのレベルのどちらか高いほうで判定してください。この判定には、限定のレベルと同じ値のペナルティがあります。

 

部位狙いのみ(さまざま)

 必ず特定の部位を狙わなければなりません。部位を特定して取得してください。コストはその部位を狙ったときの命中修正を2で割った値(端数切り捨て)になります。武器を狙う場合、コストは−2です。

 

反射行動(−3)

 その追加効果は相手の行動に対する「反射行動(「待機」状態からの反射的な行動)」としてしか使用することができません。

 

非常時のみ(−4)

 その追加効果を平静時に使用することはできません。激しい感情に駆られたときのみ、通常の効果を発揮します。ロールプレイしてください!

 

ヒットポイント消費(−1/L

 この追加効果を使用するたびに、1レベルにつき1点のダメージを受けます。攻撃に使用した腕または脚にダメージが加えられることにするなら、コストは−2/Lになります。その他の部位(通常は手、足、頭のいずれかになるでしょう)の場合、コストは−3/Lです。

 

疲労する(−1/L

 この追加効果を使用するたびに、1レベルにつき1点疲労します。

 あるリソースを消費しながら技を使うという形は『真・女神転生RPG』を知っている人にとってはなじみの深いものでしょう。また、この限定を課すことは、追加効果の濫用を防ぐためにもっとも有効です。GMはこの限定を、その追加効果の「修得段階」のレベルと同じか、それ以上の値で取得しなくてはならないとしてもかまいません。

 

武器種限定(−1)

 その追加効果を使用することのできる武器を、いずれか一種類に限定します。該当する技能で扱える武器の中から選択してください。素手の戦闘行動にこの限定を適用することはできませんが、ブラスナックルや牙のように、関連する技能を用いた武器攻撃に関しては可能です。

 長射程攻撃の場合、「特殊な弾丸や矢などを使用した場合のみ」その追加効果を使用できる、とすることもできます。そのアイテムの手に入りにくさからや値段などから、コストを設定してください。

 

方向限定(さまざま)

 キャラクターが攻撃または防御できる方向(通常は正面3ヘクス)を限定します。真正面のみならコストは−1、左正面か右正面のどちらかのみなら−2です。

 この追加効果は上級戦闘ルールを使っている場合に、白兵攻撃、素手での戦闘行動、能動防御のいずれかで選択できます。また、攻撃距離Cの攻撃には適用できません。

 

防御しやすい(−2/L

 その攻撃に対する相手の能動防御にレベルぶんのボーナスを与えてしまいます。

 

もう一方の手を空けているときのみ(−1)

 片手用武器による白兵攻撃および「受け」に適用します。文字通り、武器を持たないもう一方の手に何も持っていないときにのみ、その追加効果を使用できます。武器によっては、「片手使用時のみ」の限定と重ねて取ることもできるでしょう。

 

目標値低下(−1/L

 レベルと同じだけ、その行動を試みる際の目標値が低下してしまいます。

 

両手/片手使用時のみ(−1)

 白兵攻撃および「受け」に適用します。その武器を両手または片手のどちらかで使用しているときにのみ、その追加効果を使うことができます。どちらかに決めておいてください。

 本来なら単一の技能で両手、片手のどちらでも使用できる武器(『ベーシック』に載っている武器では槍のみ)でしか選択できません。

 

二刀時のみ(−2)

 「受け」を含む、武器を使ったあらゆる行動に適用します。

 両手にそれぞれ武器を装備しているときにのみ、その追加効果を使用することができます。追加効果の修得時に指定した武器の組み合わせでなければなりません。このとき、盾も「武器」と見なします。

 

 

*達人の技

 

以下の追加効果は、「射撃の達人」「達人の指導」「武器の達人」のいずれかを3レベル以上で有するキャラクターのみが修得できます。もちろんGMの許可があれば、それ以前の段階で修得が可能です。

 

増強

 

受け流し(+6)

 素手または武器による「受け」に適用します。

 この増強を施された「受け」は、受けられる武器の重量を計算する(『ベーシック』p.355)とき、相手の重量を3分の1に計算できます――つまり、9倍以上の重量の攻撃を受けない限り、破壊の判定を行う必要がなくなります。

 

円錐状(+4/レベル)

 ダメージを与えるためのあらゆる行動に適用します。

 この増強を施された追加効果は、円錐状の範囲に存在する対象すべてに効果を及ぼすようになります。範囲内の対象を選択することはできません。この増強のコストは、円錐の最大射程における直径1メートルごとに+4です。

 

クリティカルしやすい(+3/+7)

 その行動を行ったとき、クリティカルとなる出目の範囲が広くなります。例えば目標値が14以下の場合、クリティカルとなる目は通常3または4ですが、これが5や6でもクリティカルするようになるのです。

 クリティカル可能域を1点高めるならコストは+3です。2点高めるなら、コストは+7になります。

 

クロスカウンター(+7)

 【カウンター】に似ていますが、より相手の力を利用した防御方法です。いずれかの能動防御に適用してください。

 この増強を施された能動防御によって相手の白兵攻撃を防御した直後に限り、その攻撃を行った者への白兵攻撃のダメージに相手の体力から計算した「突き」ダメージが加算されます。 たとえば1D+2の基本到傷力を持つ相手の攻撃を【クロスカウンター】の増強を施した能動防御で受け、つづく自分の攻撃のダメージが2D+1だった場合、最終的なダメージは3D+3(=4D−1)となるのです。

 こちらがカウンターとして行う攻撃は、この追加効果を得た際にあらかじめ指定しておく必要があります。

 

攻撃距離延長(+5/レベル)

 ダメージを与えるための白兵攻撃に適用します。本来の攻撃距離を超えて攻撃することが可能になります。この追加効果に必要なCPは、本来の攻撃距離から計算してください。この増強のコストは、攻撃距離1メートルごとに+5です。

 

接触攻撃(+8)

 直接攻撃以外の素手による戦闘行動(組みつきや体当たり、素手受けなど)に適用します。この増強を施された追加効果は、あなたが触れた相手(攻撃距離C)やあなたを触った相手に、即座に効果を及ぼします。もちろん、この追加効果が組み込まれた行動の前提条件(「倒し」や「腕関節技」のためには組みついていなければならない、など)が満たされていなければなりません。

 増強の「オーラ」に似ていますが、こちらは相手の能動防御にペナルティはありません。

 この増強をうまく使うことで、触れた相手を手も動かさずに吹き飛ばしたり(「押し」や「体当たり」に適用)、組みついたと思った瞬間には相手を投げ飛ばす(「投げ飛ばし」に適用)といったような、達人の技が表現できるでしょう。

 

ダメージタイプ変更(さまざま)

 ダメージを与えるための行動に適用し、そのダメージタイプを変更します。

 以下の表を見てください。同じ番号を付けられたグループのでダメージタイプを変更する場合、+2の増強となります。より高い番号のグループへ変更するなら、ひとつ番号が高くなるごとに+6の増強です。より番号の若いグループへ変更する場合、番号ひとつごとに−3の限定として扱います。

 *印の付けられたダメージタイプへは、GMの許可がなければ変更できません。GMは、これらのダメージタイプへの変更を一切禁止してもかまいません。

 

ダメージタイプ表

 1:小型貫通体

 2:叩き、貫通体、焼き*、毒*

 3:切り、大型貫通体

 4:刺し、巨大貫通体、疲労*、侵蝕*

 

弾丸不要(+7)

 長射程攻撃に適用します。矢や手投げ武器、弾丸を消費せずに攻撃が可能になります。ただし、どんな武器でも「連射」の値は最大で1になります。弾丸や矢のデータは、舞台となる世界のTLにおいてその武器を扱う場合の、もっとも標準的なものを使用してください。その他のあらゆる点で、通常の弾丸などを用いた攻撃と同じように扱います。

 

長射程攻撃(+9)

ダメージを与えるための白兵攻撃に適用します。

この増強の施された白兵攻撃は射撃武器として扱います。この攻撃のダメージや命中判定に用いる技能は本来の攻撃手段と同じで、射程距離は本来の攻撃距離+体力×0.51、正確さ1、反動1となります。 この距離は「射程延長」の増強によってさらに伸ばすことが可能です。

 

超能力/カルトマジック/魔界魔法による防御効果無効(+9)

あらゆる行動に適用できます。この増強を施された追加効果は、上記のうちいずれかの能力による防御手段や防御効果を完全に無効化して対象に影響を与えます。

 

止め相当(+6)

 素手または武器による「受け」に適用します。

 この増強を施された「受け」は、あらゆる点で「止め」と同じように機能します。このとき、武器の攻撃範囲と同じ値の防御ボーナス(DB)を得ることができます。

 盾に対するダメージのルールを使用しているなら、銃弾も受けることができます。長射程攻撃による速射を受ける場合、「よけ」と同じように、能動防御の成功度+1の攻撃を止めることができるものとします。

 

特定の神族・種族に対して効果的(+2)

 あらゆる行動に適用できます。

 この増強を施した攻撃は、ある神族または種族に対して特に効果的に影響を及ぼすようになります。この増強を取得した場合、指定した神族・種族に対してのみ効果を持つ増強を、本来の制限を超えてさらにコスト4点ぶん取得することができます。つまり、「達人」系の特徴が1レベル増加したものとして扱うのです。増強のレベル制限を計算する際にも、これらの特徴が1レベル高くなったものとして扱います。

 この追加効果の対象を2種に拡げるなら、コストは+3です。この場合、2種は何らかの関係があるものでなくてはなりません。

 この増強を「特定の神族・種族に対してのみ影響」の限定と重ねて取ることはできません。

 

爆発(+11)

ダメージを与えるためのあらゆる行動に適用します。

この増強が施された攻撃は、まず対象に通常どおりのダメージを与えます。さらに、その地点を中心とした「爆風」を発生させます。直接この攻撃の対象となったキャラクターは、攻撃が外れた場合を除き、さらに「爆風」の影響を受けることはありません。

白兵攻撃にこの増強を適用することもできますが、高い確率で自分もダメージを受けることに注意してください。

常に攻撃者を中心として「爆発」が起こるということにしてもかまいません。その場合、攻撃の射程は「C」になりますが、攻撃者がダメージを受けることはありません。

あるいは、爆風の効果範囲を攻撃者から見て正面方向(前方60°)のみに限ることにしてもかまいません。いずれの場合もコストは同じです。

 

範囲に影響(+8+4/L)

あらゆる行動に適用します。                                                                                              

この増強を施された行動は、命中地点を円周上においた範囲に存在する対象すべてに効果を及ぼすようになります。複数の目標に同時に組みついたり、範囲全体に効果を及ぼす能動防御を行ったりすることが可能になるわけです。範囲内の対象を選択することはできません。範囲内の目標を任意に選択できるようにする場合、コストは「+9+5/L」となります。

 追加効果の効果半径は、この増強を0レベルで取得した時点で1メートルとなり、その後1レベルごとに+1メートルされます。

 かならず攻撃者を中心として効果を発揮することにしてもかまいません。その場合もコストは変わりませんが、攻撃者が攻撃に巻き込まれることはなく、効果半径には本来の攻撃距離が足されます。このとき、長射程攻撃武器の攻撃距離は例外的に5ヘクスとみなします。

 

不可視の攻撃(+9)

 あらゆる行動に適用できます。この増強を施された行動を視認することはできません。これにより、この攻撃に対しては「よけ」以外の能動防御が不可能になります(「防御しにくい/よけに対してのみ」の追加効果によって、この「よけ」にさらにペナルティをかけることも可能です)。銃弾のような扱いになると考えれば分かりやすいでしょう。

 「赤外線視覚」でなら見えるなど、何らかの対抗手段がある場合、コストは−1〜−3されます(GMの判断)。

 

防護点無効(+17または+12)

 あらゆる物理的な防護点を無視してダメージを与えます。

 この増強を素手の叩き攻撃のみに限定する場合、コストは+12です。

 

誘導/追尾(さまざま)

 長射程攻撃に適用してください。この追加効果を課された攻撃は、ルールブックp.105にある同名の増強と同じ効果を持つようになります。この増強に必要な%数を5で割ったものが、この追加効果のコストになります。

 

限定

 

特定の神族・種族に対してのみ影響(−8)

 この限定を施した攻撃は、ある神族または種族に対してのみ効果を持つようになります。この限定を取得する際、いずれか一種を指定してください。

 いずれか2種に対してのみ影響するなら、コストは−5です。この2種は何らかの関係があるものでなくてはなりません(北欧神話系:アースおよびヴァン神族、ギリシャ神話系:オリンポスおよびガイアネス神族など)。より多くの種類を関連づけたい場合はGMに相談してください。

 この限定を「特定の神族・種族に対して効果的」の増強と重ねて取ることはできません。

 

パワーソースに関する限定(−2)

 この限定を施された追加効果は、キャラクターの持つカルトマジックや超能力、魔界魔法の素養に由来します――あるいはそうした能力そのものです。対抗手段や使用不可能な状況の存在から、これらは限定たりえます。

 「カルトマジックである」「超能力である」などというように修得してください。当然ながら、この限定はそれぞれの能力の前提となる「特殊な背景」を持っているキャラクターだけが選択できます。

 

負傷時のみ(さまざま)

 負傷によってHPが減少している場合にのみ使用できます。その現実性の低さに反して、フィクションではよく見られる限定です。負傷の効果に関しては「一般的な負傷(ベーシックp.396)」を参照してください。

HPにわずかでもダメージを受けていれば使用できるなら、コストは−1です。

残りHPが半分以下になっていなければ使用できないなら、コストは−4です。

残りHPが1/3以下になっていなければ使用できないなら、コストは−6です。

HPが0以下でなければ使用できないなら、コストは−10です。

HPが、本来のHP分だけマイナスにならなければ使用できないなら、コストは−14です。

HPが減少していくのは剥離装甲がすべてなくなってからであることに注意してください。

 

不利な特徴の発現(さまざま)

その追加効果を使用すると、あらかじめ定められた不利な特徴が発動してしまいます。自制値が存在するものは、追加効果を使用した直後に自制判定を行うことができます。

この不利な特徴の効果がいつまで持続するかは特徴によってさまざまです(特に指針がない場合、戦闘後1時間を目安にしてください)。多くの場合、その欲求が満たされるまでということになるでしょう。「食事制限」や「睡眠過剰」など、欲求が満たされないことで具体的に不利な効果を受ける特徴の場合、欲求が満たされるまでその効果自体は持続することになります。

この限定によって得られるコストは、「不利な特徴によって得られるCP/5」となります。それが、もとからそのキャラクターが持っている不利な特徴である場合、コストは「CP/10」です(もちろんこの組み合わせは、「その特徴が発現していない状況」の存在する特徴でなければ意味がありません。はじめから「瘴気」の特徴を持っているキャラクターが、さらにこの特徴を追加効果に設定することはできないのです)。特に戦闘時に不利な効果をもたらすもの(「戦闘硬直」など)である場合、GMの判断によってコストを大きくしてかまいません。

 

命運消費(−10/L)

 選択ルール「命運」を使用しているときにのみ選択できます。

 追加行動の使用の際にレベル点の命運を消費します。あらゆる行動に適用できます。

 

 


 

TRPGへ戻るトップへ戻る