私はまた彼とめぐり合った。
あの時以来…5年ぶりに。
それは運命?
いいえ、やっぱり偶然。
また、逢う日まで 続劇
「レイさん、僕と付き合ってくれませんか」
はぁ、まただ。
そう思ってしまう。
告白されている、それは分かるんだけどね。
平均よりは高いだろうルックス、真面目そうな感じを受ける。
だけどね…
「ごめんなさい」
付き合う気にはなれない。
だから言う言葉は決まっている。
「そうか……」
肩を落としながら去っていく男性。
名前なんて言ったかな? …別にいいか、もう会わないだろうし。
それよりも周りの視線が気になる。
好奇心に満ちている様子。
こういったものはいつでも興味の対象になってしまう。
そんな中、近づいてくる栗色の髪の女性。
「レイ、あんたまた振ったの?」
「だって、興味ないんだもの」
惣流・アスカ
私の大学に入ってからの友達。
腰に手を当てながらいきなり私に話し掛けてくる。
その動作さえも彼女には似合ってるようなきがした。
「いいかげん彼氏作ったらどうなの?」
むぅ…余計なお世話。
そういうアスカだっていないくせに。
「…アスカのほうこそどうなのよ」
「私? 私につりあう奴がいるなら考えてもいいんだけどねぇ」
胸を強調するかのようにして胸をそらす。
うう…負けた。
外人の血が混ざっているだけでこんなに違うものなの?
あらためてその素晴らしいプロポーションに目が行く。
それ加えて顔も小さいし…
勝気な表情を見せているアスカ。
いいもん、バランスはとれてるから。
私は、綾波レイは19歳になった。
中学、高校と卒業し大学に合格。
ヒカリとは違う大学になったけど、今でも連絡は取っている。
今の大学ではアスカという友達ができた。
私とは違って強気で物事に対してはっきりとした性格をしている。
なんだか、そんな彼女とやけに気が合った。
授業も同じものをとっているせいか、一緒にいる時間も多い。
突然だけど、彼女はもてている。
比例して告白している男性も多かった。
だけど未だに誰とも付き合っていない。
彼女の目にかなう男性がそうそういるとは思えないけど。
私も評判がいいらしく、告白されることが多い。
いまだに誰とも付き合ったことはないけどね。
そんな私たちについた名前が撃墜王。
難攻不落で誰が行っても断るらしいからみたい。
誰がこんな名前を付けたんだろう?
一部ではレズに思われているみたいだし。
女同士でなんて想像するだけでぞっとする…
はぁ、悩み多き年頃だわ…
アスカと共に食堂へと向かい、手近なところへと腰掛ける。
ちょっとした喫茶店みたいでこの大学の食堂は好きなんだよね。
コーヒーを注文しながらアスカがこっちを見ている。
「なんでレイは誰とも付き合わないの?」
「なんでって言われても…なんていうか、いまいちそういう気になれる人がいないの」
「ふ〜ん」
にたにたしながら様子を伺ってくる。
本当にこういう話好きだよね。
「じゃあ、好きな人もいないの?」
「好きな人…?」
考えても思い当たるような人がいない。
う〜と唸っていると、なぜか中学生の頃のある男性の顔が浮かんできた。
自然と顔に赤みが差し込む。
なんでだろう…そういう気持ちは持ってないと思ってたのに。
「あ〜やっぱりいるんじゃない」
私の顔をみてアスカがまくしたてようとする。
そんなに反応していたのかな。
「誰? 誰?」
身を乗り出して顔を近づける。
「い、いないわよ…そんな人」
「嘘ついてもだめよ、顔に出てるじゃない」
さぁさぁ、と迫る。
すごい迫力だよ…アスカ。
観念して話そう。
「分かんない…好きどうか」
「はぁ?」
「でも、気になるの」
それは本当。
たった一月しかいなかったけど、気になる存在だった。
もしかしたら好きなのかも……しれない。
「ふ〜ん、で誰?」
「アスカが知らない人」
「じゃあ、会わせてよ」
運ばれてきたコーヒーに口をつけながら視線を合わせる。
簡単に言うけど、そうはいかないよね。
「今はどこにいるか知らない」
「なんでよ〜」
「だって、中学生の頃の話だもん」
アスカがきょとんとする。
そして大笑いをはじめた。
「あんたって意外と純情だったのね〜」
「なんでよ……」
「だってさぁ、そんなに長い間気になっていたんでしょ? それって好きってことじゃないの」
今度は私がきょとんとしてしまった。
言われてみれば…そうなのかもしれない。
普通こんなに長い間思ったりしないよね。
そういえば誰かに告白された時も彼の顔が浮かんでいたのかも。
なんだか無性に会いたくなってきた……もう、アスカのせいだよ。
「あ〜あ、会ってみたいなぁレイの『気になる人』に」
「どこにいるんだろうなぁ…碇君」
「碇っていうんだ〜」
ぼうっと碇君のことを考えていた。
アスカが何か言ってるけどさっぱり耳に入らない。
会いたい、その気持ちがどんどん強くなっていた。
「ほんとおもしろいわね、レイは。からかうネタが増えたわ」
腰まである栗色の髪を風になびかせながら歩くアスカ。
その姿は男性を振り向かせるには十分だった。
「好きなひとかぁ……私もそういう人と出会いたいものね」
自分の容姿には自身はあるが、だからといってそればかりで好きになる男には興味がなかった。
もっと内面を見てくれる人物を求めている。
「いないのよね……」
ため息が出てしまう。
けっして理想を高く持っているわけでもないのに。
勝手に高嶺の花だと思われているのかもしれない。
いや、結局そういうことにして自分を納得させている奴がいるのだろう。
手が届かない存在だ、とか。
そういった人物には尚のこと興味は抱いていない。
アスカも年頃の少女。
まだまだ恋をしてみたい年頃なのだ。
ドン
「きゃっ!」
下を向きながら歩いていたせいで誰かとぶつかって転んでしまう。
「っう……あんたどこ見てんのよ!」
だからと言って素直に謝る少女ではない。
そこは損な性格だ。
「あ、ごめん」
目の前に伸ばされる手。
手を握られるとゆっくりと起こされる。
「ごめん、地図見ながら歩いてたから……」
素直に謝られてしまうと、自分が悪い気がしてくる。
実際自分が悪いのだが。
「分かったわよ。特別に許してやるから感謝しなさい」
「ありがと」
無造作に笑う顔。
その顔をみた時になぜかひどく動揺してしまった。
(な、なかなか綺麗な笑顔をしてるじゃない……)
「それじゃあね」
そのまま立ち去ろうとする。
「ち、ちょっと待ちなさいよ」
「なに?」
きょとんとした顔で見つめてくる瞳。
意味があって止めたわけではないので説明ができない。
なんとなく行ってほしくなかった。
理由を求めて彼女の脳が模索をはじめる。
(ど、どうしよ)
彼女らしくなく、動揺する。
そして、先ほど言った地図と言う単語に彼女の頭は閃いた。
「あんた、道に迷ってたんじゃないの?」
「……どうして分かったのかな?」
不思議そうな顔をする。
かまをかけたというより地図を見ながら歩いていると言うことは、目的の場所を探していると言うことだ。
もしくは道に迷っている。
なんとなく後者のほうが目の前の青年にはあってるような気がした。
「そんなもん見ながら歩いているからよ」
地図を指差す。
苦笑いしながら少年は首を掻くしかなった。
「久しぶりに来たら、随分建物の位置が変わってさ。どこだか分からなくなってたんだ」
「どこよ…連れてってあげるわ」
「…いいの?」
目の前の少年は驚いていた。
まぁ、初対面の相手にいきなり言われたら戸惑うわね。
「感謝しなさいよ」
そっぽを向きながら言うアスカに少年は素直に礼を告げる。
「ありがとう、ええと…」
「アスカでいいわよ」
アスカが親しくもない人に自分の名前を呼ばせるのは珍しい。
それだけ信頼しているということだろうか。
「ありがとう、アスカ」
「べつにいいわよ。それよりあんたの名前は?」
「僕? 僕の名前は碇シンジ」
これがシンジとの出会いだった。
大学へ一緒に行くアスカの歩みは軽い。
ここ最近、すごく機嫌がよかった。
「何かいいことあったの?」
「別に〜♪」
言葉とは裏腹に表情は綻んでいる。
どう見たっていいことあったって感じ。
気になるなぁ〜
「もしかして…恋人でもできたの?」
「な、ななななに言ってんのよ!」
適当に言っただけなのに本当にそうなの?
ちょっと驚いてしまう。
「誰なの?」
前にからかわれた時とは逆の立場。
この前のお返し。
「ちょっとレイ〜」
「誰?」
「うう〜分かったわよ〜」
観念したみたいね。
誰か気になるなぁ。
「恋人じゃないんだけどね…もしかしたら好きかもしれない……」
ふむふむ。
「碇シンジって言う人なの」
その名前を聞いたとき、
時が止まった様な気がした。
あとがきというなの戯言
O:7000HITで〜す。
R:いつのことを言ってるの?
O:知らん。
R:それにしてもこの話はなんなの?(怒)
O:ちょびっとLASかなぁ・・・
R:そう、あなた死にたいのね。
O:なぬ!?それは勘弁願いたい。
R:さよなら。
O:ちゃんとLRSにするつもりだってば〜
R:ほんとに?
O:この話のもとはLRSだよ。
続きがLRSじゃないわけないでしょうが。
R:嘘は……ダメ。
O:分かっておりますぅ。
A:omi、LASへの第一歩、頑張りなさいよ。
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