
治療法
■1 治療法
■2 注意点
■3 体操
■1 治療法
◎片頭痛
予防的服薬と発作頓座療法の二種類に分かれます。片頭痛の頻度は人それぞれですが、大体は週1回〜月1回程度が多いようです。片頭痛は頭痛発作のない時には、まったく何でもなく日常生活を送れるわけですから、どれくらい日常生活に支障をきたしているかによって、予防的服用が必要かどうか決まります。
(治療法)
消炎鎮痛剤やトリプタンをのむ、こめかみを冷やす、安静にする
(予防法)
薬を内服する、規則正しい生活をする、日常生活の注意点を守る
◎緊張型頭痛
最も数が多い疾患です。多くの方が頭痛で受診されますが、その8割が緊張型頭痛です。緊張型頭痛は大きく分けて、精神的ストレスによる場合、筋肉や筋膜が硬くなって痛みを生じやすい場合、首の骨が弱って関節が緩みそこから痛みが生じている場合があります。従って治療もそれぞれの病状に応じたものとなります。
(治療法)
筋肉をほぐす、リラックスできる方法を実践、安定剤・鎮痛剤の服用、後頭部や目を温める
(予防法)
体操や気分転換などを心がける
◎群発頭痛
全ての慢性頭痛の約1%と頻度的には非常に少ないのですが、そのあまりにも特徴的な臨床症状のために、一度群発頭痛の発作をおこしている人を見たら二度と忘れられないようなインパクトがあります。眼を押え頭を抱え込むようにしてウーッとうなっている様子は、まさに地獄の苦しみに耐えているという言葉そのものです。通常は放置しておいても3時間程で治まりますが、その間が拷問のようだといいます。片頭痛で夜間救急外来にくる人はそれほど多くありませんが、群発頭痛の方は、やはりじっとしていられないためか、救急外来によく来られます。季節の変わり目に多いので、春と秋に患者さんがかたまる傾向にあります。
(治療法)
純酸素吸入、注射薬(スマトリプタン)、各種神経ブロック
(予防法)
漢方薬(呉茱萸湯)、塩酸ロメリジン(ミグシス)やSSRIがやや有効
■2 注意点
◎薬を使うタイミング
片頭痛は1時間くらいの間に、徐々に悪くなってきます。やがては吐き気や嘔吐も伴います。片頭痛の最盛期には、鎮痛薬やエルゴタミン製剤ではほとんど効果が得られません。それどころかかえって胃腸障害をひどくさせて苦しむ結果となります。鎮痛薬やエルゴタミン製剤は頭痛の早期に服用するのがポイントです。トリプタン製剤は片頭痛の最盛期にも効果を発揮しますが、吐き気や嘔吐が起こると服用できなくなってしまいます。やはり片頭痛の早期に服用したほうがよく効きます。ですから、鎮痛薬は常に携帯(たとえば財布の中に入れておくなど)し、頭痛が始まったらすぐ服用することが肝心です。
◎服用する際の注意点
一般には薬はコップ1杯の水と一緒に服用します。お茶やウーロン茶でもかまいません(以前はお茶はダメと言われていましたが、そんなことはありません)。ジュースなど甘みのあるものは吐き気を誘発しますので、糖分の入ったものは避けるようにしましょう。鎮痛薬はたくさん飲んだからといって効果が増すわけではありません。胃にも負担がかかりますから、効果がないからといって一度に多量に飲むことはやめましょう。効果がなければ、3時間以上間隔をあけてから追加します。トリプタンなど、病医院で処方される薬については、医師の指示に従ってください。なお、鎮痛薬やトリプタン製剤を月10回以上、長期間服用してしまう場合は、逆に頭痛をこじらせてしまうおそれがあります(薬物乱用頭痛)。その場合は病医院で予防薬を出してもらうとよいでしょう。
◎お酒と薬の関係
お酒と薬との関係は、まとまった研究がないので断定的なことは言えませんが、原則としてはやめておいたほうがよいでしょう。わたしの経験では、とくに不都合のない患者さんもいらっしゃるのですが、中にはふらつきなどの症状が出る患者さんもいるようで、おすすめはできません。
◎薬と発疹
薬を飲んで、発疹などの症状が現れたときは、すぐに受診して主治医や薬剤師に相談するようにしましょう。薬疹は重大な副作用につながる可能性もありますので、自己判断で放置するのは危険です。
◎妊娠と服薬
ほとんどの場合は影響ありません。受精して18日間は、胎芽は薬の影響がないためです。予定生理がないことに気がつき、かつ、妊娠の可能性があるとすれば、ただちに妊娠反応を調べます。それから薬をやめたので十分間に合います。妊娠をおそれて薬をひかえるというのは、得策ではありません。ただ、妊娠をお考えなら、予定生理が遅れたらすぐに妊娠反応を調べるようにしましょう。あまり遅くなって気がついた場合は、産婦人科の先生に相談してください。
◎授乳中の薬
多くの薬の使用上の注意には「授乳中は服薬を遠慮してください」と書いてあります。というのは、授乳中、母乳からごくわずかにでも乳児に薬が入りますが、その薬がまったく安全という確証はありません。乳児に薬を投与して安全かどうか調べることは、不可能に近いからです。現実には、乳児への移行はごくわずかですし、問題はないと予想されますが、どうしても薬が必要な場合は、断乳して服薬するというのが原則です。主治医と相談しながら方針を決めてください。
■3 体操
肩こりや筋肉のこりが原因となる緊張型頭痛を予防するには、ストレッチや体操でこりをほぐすのが効果的。デスクワークや家事などでは、長時間同じ姿勢を続けすぎないようにし、疲れたら休憩して次のような軽い体操をしてみて。でも本格的な体操やストレッチを、痛みが強いときに無理にやったり、強い反動をつけてやると筋肉を痛めてしまうことがあります。入浴後など、筋肉が適度にほぐれてから行うのが理想的です。
肩の上げ下げ
両肩をキュッと上げて、ストンと落とす。力を入れすぎず、自然な状態で10〜20回。
首を左右に倒す
右手を頭にのせ、左肩の力を抜いて首を右側へゆっくり倒す。左側も同様にし、左右とも5〜10回。
椅子に座って前後屈
椅子に腰掛けて足を前に伸ばし、両肩の力を抜いて首を前後にゆっくり動かす。5〜10回。
イスに深く座って背筋を伸ばします。
体の前で両手を組んで、伸びをする感じで両腕を上にあげます。その際、あごはしっかり引きます。その後、手を組んだまま、ゆっくり手をおろします。これを3回繰り返します。
両手を体の前で組んで、今度は息を吐きながら両手を前に伸ばします。その際、背中も腰も丸めて。めいっぱい伸ばしたら、脱力。これを3回繰り返します。
今度は、両腕を後ろで組んで伸ばし、胸をそらします。
■2 注意点
■3 体操
■1 治療法
◎片頭痛
予防的服薬と発作頓座療法の二種類に分かれます。片頭痛の頻度は人それぞれですが、大体は週1回〜月1回程度が多いようです。片頭痛は頭痛発作のない時には、まったく何でもなく日常生活を送れるわけですから、どれくらい日常生活に支障をきたしているかによって、予防的服用が必要かどうか決まります。
(治療法)
消炎鎮痛剤やトリプタンをのむ、こめかみを冷やす、安静にする
(予防法)
薬を内服する、規則正しい生活をする、日常生活の注意点を守る
◎緊張型頭痛
最も数が多い疾患です。多くの方が頭痛で受診されますが、その8割が緊張型頭痛です。緊張型頭痛は大きく分けて、精神的ストレスによる場合、筋肉や筋膜が硬くなって痛みを生じやすい場合、首の骨が弱って関節が緩みそこから痛みが生じている場合があります。従って治療もそれぞれの病状に応じたものとなります。
(治療法)
筋肉をほぐす、リラックスできる方法を実践、安定剤・鎮痛剤の服用、後頭部や目を温める
(予防法)
体操や気分転換などを心がける
◎群発頭痛
全ての慢性頭痛の約1%と頻度的には非常に少ないのですが、そのあまりにも特徴的な臨床症状のために、一度群発頭痛の発作をおこしている人を見たら二度と忘れられないようなインパクトがあります。眼を押え頭を抱え込むようにしてウーッとうなっている様子は、まさに地獄の苦しみに耐えているという言葉そのものです。通常は放置しておいても3時間程で治まりますが、その間が拷問のようだといいます。片頭痛で夜間救急外来にくる人はそれほど多くありませんが、群発頭痛の方は、やはりじっとしていられないためか、救急外来によく来られます。季節の変わり目に多いので、春と秋に患者さんがかたまる傾向にあります。
(治療法)
純酸素吸入、注射薬(スマトリプタン)、各種神経ブロック
(予防法)
漢方薬(呉茱萸湯)、塩酸ロメリジン(ミグシス)やSSRIがやや有効
■2 注意点
◎薬を使うタイミング
片頭痛は1時間くらいの間に、徐々に悪くなってきます。やがては吐き気や嘔吐も伴います。片頭痛の最盛期には、鎮痛薬やエルゴタミン製剤ではほとんど効果が得られません。それどころかかえって胃腸障害をひどくさせて苦しむ結果となります。鎮痛薬やエルゴタミン製剤は頭痛の早期に服用するのがポイントです。トリプタン製剤は片頭痛の最盛期にも効果を発揮しますが、吐き気や嘔吐が起こると服用できなくなってしまいます。やはり片頭痛の早期に服用したほうがよく効きます。ですから、鎮痛薬は常に携帯(たとえば財布の中に入れておくなど)し、頭痛が始まったらすぐ服用することが肝心です。
◎服用する際の注意点
一般には薬はコップ1杯の水と一緒に服用します。お茶やウーロン茶でもかまいません(以前はお茶はダメと言われていましたが、そんなことはありません)。ジュースなど甘みのあるものは吐き気を誘発しますので、糖分の入ったものは避けるようにしましょう。鎮痛薬はたくさん飲んだからといって効果が増すわけではありません。胃にも負担がかかりますから、効果がないからといって一度に多量に飲むことはやめましょう。効果がなければ、3時間以上間隔をあけてから追加します。トリプタンなど、病医院で処方される薬については、医師の指示に従ってください。なお、鎮痛薬やトリプタン製剤を月10回以上、長期間服用してしまう場合は、逆に頭痛をこじらせてしまうおそれがあります(薬物乱用頭痛)。その場合は病医院で予防薬を出してもらうとよいでしょう。
◎お酒と薬の関係
お酒と薬との関係は、まとまった研究がないので断定的なことは言えませんが、原則としてはやめておいたほうがよいでしょう。わたしの経験では、とくに不都合のない患者さんもいらっしゃるのですが、中にはふらつきなどの症状が出る患者さんもいるようで、おすすめはできません。
◎薬と発疹
薬を飲んで、発疹などの症状が現れたときは、すぐに受診して主治医や薬剤師に相談するようにしましょう。薬疹は重大な副作用につながる可能性もありますので、自己判断で放置するのは危険です。
◎妊娠と服薬
ほとんどの場合は影響ありません。受精して18日間は、胎芽は薬の影響がないためです。予定生理がないことに気がつき、かつ、妊娠の可能性があるとすれば、ただちに妊娠反応を調べます。それから薬をやめたので十分間に合います。妊娠をおそれて薬をひかえるというのは、得策ではありません。ただ、妊娠をお考えなら、予定生理が遅れたらすぐに妊娠反応を調べるようにしましょう。あまり遅くなって気がついた場合は、産婦人科の先生に相談してください。
◎授乳中の薬
多くの薬の使用上の注意には「授乳中は服薬を遠慮してください」と書いてあります。というのは、授乳中、母乳からごくわずかにでも乳児に薬が入りますが、その薬がまったく安全という確証はありません。乳児に薬を投与して安全かどうか調べることは、不可能に近いからです。現実には、乳児への移行はごくわずかですし、問題はないと予想されますが、どうしても薬が必要な場合は、断乳して服薬するというのが原則です。主治医と相談しながら方針を決めてください。
■3 体操
肩こりや筋肉のこりが原因となる緊張型頭痛を予防するには、ストレッチや体操でこりをほぐすのが効果的。デスクワークや家事などでは、長時間同じ姿勢を続けすぎないようにし、疲れたら休憩して次のような軽い体操をしてみて。でも本格的な体操やストレッチを、痛みが強いときに無理にやったり、強い反動をつけてやると筋肉を痛めてしまうことがあります。入浴後など、筋肉が適度にほぐれてから行うのが理想的です。
肩の上げ下げ
両肩をキュッと上げて、ストンと落とす。力を入れすぎず、自然な状態で10〜20回。
首を左右に倒す
右手を頭にのせ、左肩の力を抜いて首を右側へゆっくり倒す。左側も同様にし、左右とも5〜10回。
椅子に座って前後屈
椅子に腰掛けて足を前に伸ばし、両肩の力を抜いて首を前後にゆっくり動かす。5〜10回。
イスに深く座って背筋を伸ばします。
体の前で両手を組んで、伸びをする感じで両腕を上にあげます。その際、あごはしっかり引きます。その後、手を組んだまま、ゆっくり手をおろします。これを3回繰り返します。
両手を体の前で組んで、今度は息を吐きながら両手を前に伸ばします。その際、背中も腰も丸めて。めいっぱい伸ばしたら、脱力。これを3回繰り返します。
今度は、両腕を後ろで組んで伸ばし、胸をそらします。

Presents. by
飄々(ひょうひょう)
since 2007.5.3