(症状と、その克服方法)

腹鳴りは、ガスおなら恐怖症に近い症状になります。
つまり、この腹鳴りは、お腹が空いていないのに、お腹がグーグーと鳴る音で、人から変に思われるのではないかと悩む症状になります。

ガスおなら恐怖症の場合には、臭いによって周りの人に嫌がられると感じるのですが、腹なりの場合は、お腹の鳴る音によって周りの人に嫌がられたり変に思われると感じてしまうものなのです。

そして、この腹鳴りの場合も、人見知りしやすい独身の若い女性に多く見られる傾向があります。

お腹が空けば、誰でもお腹が鳴ってしまうものなのですが、これを人から変に思われる恥ずかしいことだと考えてしまうところに、腹なりの症状にとらわれてしまう原因があると言って良いと思います。

この腹なりのように、SADの症状は、その人が一番、重要で、人から変に思われると考えているところに起こってくるものなのです。
つまり、その人の価値観によって、症状の現れ方が決まってくるものなのです。

このことからも、腹鳴りを初めとしたSADの症状が単純に脳内の異常物質が原因になっているとは言えないと思います。

なお、この腹なりも、その根本原因は神経症のとらわれから来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、お腹の鳴る音に対するとらわれが薄れてくることで少しずつ改善してくるものなのです。

ただ、このためには、ある程度の時間が必要になってきます。

つまり腹なりの場合も、胃薬や整腸剤などの薬を飲めば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。