(症状と、その克服方法)

口下手や無口なことで悩み劣等感を感じているのが、性格的劣等感というSADの症状になります。

劣等感というと、背が低いとか、顔に自信が持てないとか、走るのが遅いとか、女性であれば胸が小さいとか、男性であれば性器が小さいといった形で、主に身体的なことに対して感じやすいものですが、自分の性格に劣等感を感じてしまうのが、性格的劣等感だと言って良いと思います。

そして、特にSADの場合は、対人関係における引け目という面で、性格的劣等感を感じることが多いように思います。

人前で緊張してしまい上手く話が出来ないということで、口下手なことに劣等感を感じたり、人と雑談している時に、思うように言葉が出ないことで、人からおとなしいとか、無口だと言われたりして、自分の言葉の少なさに劣等感を感じていることも多いものです。

また、書けいや、赤面症など、他のSADの症状があるために、人よりも自分が劣っていると感じていることも多いものです。

こういう意味で、性格的劣等感は、SADに悩んでいる時に共通して見られるものなのですが、特にここでは、口下手さや無口さといったことで悩んでいる場合に、性格的劣等感と呼ばせていただきます。

しかし、この性格的劣等感の症状も、その根本原因は神経症から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、「かくあるべし」のとらわれが薄れてくることで、少しずつ改善してくるものなのです。

ただ、このためには、ある程度の時間が必要になってきます。

つまり、自己暗示をかけたり、薬を飲めば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。