(症状と、その克服方法)

人と一緒にレストランや食堂などに外食に行った時に、周りの人が気になり食事が取れないということで悩んでいる人も多いものです。

これが、いわゆる外食恐怖症ということになるのですが、これもSADの症状の1つになります。

外食恐怖症の場合は、吐き気のために食事が出来なくなってしまうというパニック障害から起こる場合もありますが、SADの場合の外食恐怖症は、吐き気というよりも、外食中に周りの人の目が気になり、この結果、緊張し食事が喉を通らなくなってしまうという形になります。

このように外食恐怖症の場合は、現れる症状は似ていても、その原因によって、パニック障害の場合もあれば、SADの場合もあるということになります。
ただ、いずれも神経症(最近は不安障害と言われることもあります)から来ている症状だと言えるのです。

しかし、今は外食恐怖症の根本原因である神経症のことは度外視して、パニック障害だとか、SADということで対応しようとする傾向があるように思います。

しかし、これでは、「木を見て森を見ず」という形であり、外食恐怖症の根本的な治療には結びつかないものなのだと思います。

つまり、この外食恐怖症も、その根本原因は神経症のとらわれから来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、外食中の人中での緊張や不安に対する、とらわれが薄れてくることで、少しずつ改善してくるものなのです。

ただ、このためには、ある程度の時間が必要になってきます。

ですから、外食恐怖症の場合は抗うつ剤や安定剤などの薬を飲めば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。